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ANA、国際線ビジネス席を個室に 海外勢に対抗

全日本空輸(ANA)は11日、国際線に導入する新シートを発表した。ビジネス席をドア付きの個室にするのが売り物だ。エコノミー席が格安航空会社(LCC)との競争にさらされる中、収益を支えるビジネス席の重要性が高まっている。個室型シートの導入で商品力を高め、海外の航空会社などに対抗する。

欧米路線など長距離国際線で運用している米ボーイングの大型旅客機「777-300ER」12機を新仕様にする。8月2日から羽田―英ロンドン線で運航をはじめ、米ニューヨークなどに路線を広げていく。

新しいビジネス席は引き戸のドアで仕切られた個室シートで、最大幅も約1メートルと従来の約2倍に広げた。1席当たりのスペースは大きくなるが、L字型の空間を互い違いに配置する構造を採用。席数は64と、現行の68とほぼ変わらない数を確保した。ファーストクラスも同じく個室型となる。

座席のモニター画面はビジネスが17インチから24インチに、ファーストが23インチから43インチにそれぞれ大型化。航空機内の個人モニターとしては世界で初めて4K映像に対応する。

このほかビジネス、ファーストともに、寝具大手の西川と共同開発したシートクッションを採用した。機内デザインは建築家の隈研吾氏が総合監修を手掛けた。

11日、東京都内で記者会見したANAの平子裕志社長は「プライバシーをテーマに、時間を有効に使えるよう最大の工夫をした」と新仕様に自信をのぞかせた。

ANAなどのフルサービスキャリア(FSC)にとって、ビジネス席は国際線の利益の源泉になっている。一般にビジネス席は「乗客数は1割程度でも、売り上げは全体の2~3割を占める」(航空業界関係者)とされ、収益性が高い。

ANAは業界他社に先んじてシートをフルフラット化するなど、ビジネス席の開発競争をリードしてきた。同分野の競争力の高さが、2019年3月期に初の売上高2兆円を達成するなど好業績の背景にある。

ライバルに見据えるのは海外の航空会社だ。航空サービス調査会社の英スカイトラックスによると、航空会社のビジネス席に対する19年の評価で1位はカタール航空、ANAは2位だった。カタール航空は既に個室型のビジネスクラスを導入している。ANAも新シートの採用でカタール航空などに対抗する。

エコノミー席が台頭著しいLCCとの競争にさらされる中、ビジネス席の重要性はますます高まっている。各社の競争も激しさを増しそうだ。(井沢真志)

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