最新水着はシーンフリー スカート・パンツと涼やかに
宮田理江のおしゃれレッスン

街で着る服と同じようにおしゃれを楽しめる水着が増えてきました。今の傾向は、居場所を「水の中」に固定しない「シーンフリー」。ビーチ上がりのレストランにそのまま着て行けるタイプ、休日の気負わない装いとしても使えるようなタイプが登場しています。普段の街中使いにも向くから、たくさんのシーンで着られます。
水や汗にも強い素材だから、機能性がある点も魅力です。重ね着や差し色としてコーディネートにミックスする着こなしも楽しめます。イタリア発のレッグウエアやビーチウエアの専門ブランド「CALZEDONIA(カルツェドニア)」の新作を参考に、今夏の水着トレンドを読み解いていきましょう。
●ワンピース水着(スイムスーツ)は重ね着使いで多彩に着回す
白いワンピースの上から巻きたいサロン
肩を露出したオフショルダーは、見るからに涼しげで、夏の装いに取り入れたくなるシルエットです(冒頭写真)。オフショルの水着は上からスカートを重ねて、街中使いできる点でも使い勝手に優れています。波打つフリルにはレース刺しゅうが施され、ショルダーラインをロマンチックに演出。こちらは背中のリボンを結んだり解いたりして、表情を変えられるタイプです。

白いワンピースの上から巻きたいのは、民俗衣装風のサロン。ロングスカートに似ていて、リゾート気分をまとえます。そのまま街中使いできるので、出番が多くなります。ナチュラル系の柄をあしらえば、さらにトロピカルな雰囲気に。エレガンスとエスニックをミックスするコンビネーションの着映えに仕上がります。旅先ではビーチから上がって、そのまま食事にも出掛けられそうです。
トロピカル柄の水着は同じ柄のスカートを組み合わせる

大胆な柄は、今夏の目立った傾向です。ジャングルの植物を描いた柄はワイルドな雰囲気や南国のムードを呼び込みます。街中使いでもトロピカル柄が夏らしいアクセントに。肩のリボンも動きを添えてくれます。

洋服でもセットアップ(上下そろい)が人気ですが、水着もこのように同じ柄のスカートを組み合わせるだけで、セットアップの出来上がり。ミニ丈ワンピースのような着映えにまとめられます。もちろん、単品コーデも楽しめます。ダイナミックな柄で彩られているタイプなら、グラマラスなサマールックに。ボリュームネックレスを添えて、華やぎをさらに上乗せするアレンジも試してみて。
●ビキニトップは上下の「ずらし」を仕掛けて、動きを演出
ビキニトップとロングパンツを組み合わせジェンダーミックスに

最近の水着は、パーツごとに別の着方を組み立てられるマルチユース仕様が多くなってきました。オフショルダーのビキニトップは、まるでケープのような愛らしい見栄え。鎖骨を美しく見せつつ、二の腕は上手にカバーされています。さわやかなストライプ柄が引き締め効果もアップ。優美なシルエットのビキニトップは上品な華やぎを見せてくれます。

ビキニトップとロングパンツを組み合わせれば、フェミニンとマニッシュのジェンダーミックスに仕上がります。淡いウオーターカラーのビキニトップと、鮮やかなブルーのロングパンツで、色調を少しだけずらす「トーン・オン・トーン」のコーデにまとめて。全体が落ち着いて映る合わせ方です。あえて異なる柄を引き合わせる「柄×柄」のコンビネーションを選べば、装いが弾みます。
フリル付きビキニトップにはアクティブな表情のショートパンツを選ぶ

懐かしげなたたずまいの「レトロ」はファッショントレンドの大きな流れに育ちつつあります。水着にもクラシックな雰囲気のデザインが復活。たっぷりしたフリルのオールドスタイルがかえって新鮮な印象。メンズのサマージャケットによく使われるシアサッカー生地もビンテージ感を漂わせます。

かわいらしいフリル付きビキニトップのパートナーには、さわやかでアクティブな表情のショートパンツを選んで。ピンクのフリルと、黒の引き締めムードがコントラストを際立たせこなれた装いに。白Tシャツの上からビキニトップを重ねるサマーレイヤードも選択肢に加わります。相性のよい「ピンク×ブラック」のコーデは「大人かわいい」のテイストにまとまります。
●「タンキニ」は羽織物を重ねて、街中に溶け込ませて
ゆったりした羽織物のカフタンならビーチ上がりでもサッとまとえる

タンクトップに似たトップスが特徴の「タンキニ」は、露出を抑え、ボディーラインを強調しすぎないから、人気が続いています。正面に配したボタンも古風なディテール。手持ちのお洋服の差し色アイテムとしても重宝できそう。ウエストラインが高めのボトムスとのコンビネーションが、さらにレトロな風情が漂わせています。ノスタルジックなたたずまいの洋服と組み合わせるスタイリングも試せます。

水着の上から1枚羽織って、街着にシフトするには、ゆったりした羽織物が向いています。たとえば、イスラム圏の民俗衣装に由来するカフタンは、肌に貼り付かないから、ビーチ上がりでもサッとまとえそう。Vネックを縁取るゴールドのリングがリッチ感をプラス。胸元からのぞくタンキニが白の涼やかさを引き立ててくれます。
万能なパーカーは上から羽織るだけでスポーティーな着こなしに

まるでレースのように編み地のきれいな水着は、上品な見え具合に映ります。素肌が適度に透けて、健康的なムードに。Tシャツの下に着て、編み地の模様を透けさせる着方も可能で、着回しのバリエーションが広がります。タンクトップの形なら、レディーの気分とアクティブなイメージが響き合う着姿に整えられます。

勢いの衰えない、フード付きの軽い羽織物のパーカーは、水着とも好相性です。上から羽織るだけで、スポーティーな着こなしに。スウェット生地はソフトな肌当たりで、ビーチ上がりの体にやさしくフィット。正面のファスナーで開閉して、自在に見え具合や温度を調節できます。袖に花柄を配して、あでやかさを添えました。
レッグウエアやビーチウエアの人気ブランド「カルツェドニア」は、デザイン性の高い水着で知られています。ビーチの前後も心地よく過ごしやすいウエアがそろっていて、街中でもリゾート気分を味わえます。人気モデルの森星さんをビーチウエアのアイコンに起用して、日本でもファンを増やしています。
「水着」は「水の中」、「スイムウエア」は「泳いでいる間」といったイメージがありますが、陸上も含む「ビーチウエア」はもっと幅広い着方に誘います。場面を固定しない「シーンフリー」のおしゃれが世界的に広がるなか、「水辺専用」と決めつけないで、自在に着こなしてみてはいかがでしょう。
(画像協力)カルツェドニア https://jp.calzedonia.com/

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