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バスケ・フリースローは「いつも通り何も考えずに」

2019/7/14 6:30
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誰よりも速く走る方法、すごいホームランの打ち方――。体を動かすことに夢中だった子どもの頃、もし達人になるコツがあるのなら、ぜひ知りたいと思った人は少なくないだろう。

そんな経験のある人が少しワクワクするような研究成果がこのほど発表された。テーマは「バスケットボールのフリースロー成功のコツ」。奈良女子大の中田大貴准教授(スポーツ心理学)らの研究グループが論文にまとめ、日本体力医学会の国際誌オンライン版に掲載された。

ルーティンの安定がカギ(シュート練習する八村塁)=共同

ルーティンの安定がカギ(シュート練習する八村塁)=共同

バスケットのフリースローは、4メートル超の距離からリングを狙う。審判からボールを受け取った後は誰にも邪魔されないが、場内の注目を一身に浴びる。

中田准教授によると、研究のきっかけはフリースローが苦手なバスケット部員からの相談。先行研究をみると、目標の注視、投球までの準備動作(ルーティン)、ボールの軌道など、成功に関わる要因は多岐にわたる。何を重視すべきか探るために、バスケット部員16人を被験者に実験した。

フリースローを20本ずつ実施。測定データを分析した結果、成功率の高い人ほど、ドリブル、膝の屈伸などのルーティンが短く、その時間も一定であることが分かった。膝の力で動き出し、肩関節の動きで肘を高く上げ、肘の角度はリリースまで一定、というスムーズなフォームも重要で、「試合では、一定のルーティンで『いつも通り、何も考えずに』というイメージで打つことが大事」と中田准教授。

これらはプロの経験とも重なるという。男子プロバスケットのBリーグ、バンビシャス奈良(B2)の中心選手は「スコアなどの確認は審判からボールを受け取る前に。受け取ったら何も考えず、いつもと同じルーティンで打つだけ」と語る。

ただし、最も難しいのは「何も考えずに」ということかもしれない。中田准教授はこの点に関してあるヒントを提示する。

脳科学の視点でスポーツの動作を見ると、陸上競技のスタートのように外部刺激から始まる「刺激始動性動作」、ゴルフのように自分のタイミングで動き出す「自発性動作」に大別。精神的な要因で動作に支障をきたすイップスは、ゴルフ、野球の投球、テニスのサーブなど自発性動作で生じやすいという。

バスケットのフリースローは一見、自発性動作に分類されそうだが、「審判からボールを受け取る、という外部刺激から素早くルーティンに入って打つ。そう考えればいいのではないか」と中田准教授。苦手克服のコツを見つけてスポーツをもっと楽しく。そんな願いを胸に抱いているという。

(影井幹夫)

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