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再建中の曙ブレーキ、信元会長選任に賛成77% 総会

曙ブレーキ工業の定時株主総会は6月27日に開かれた

経営再建中の曙ブレーキ工業が6月27日に開いた株主総会で、信元久隆会長兼社長の取締役選任への賛成が77%にとどまったことが、臨時報告書で分かった。2年前の総会では9割の支持を得ており、大幅に低下した。ほかの取締役2人も前回より1割程度減っており、信元会長ら経営陣に責任を問う意見が広がった。買収防衛策の継続案についても、賛成票は7割にとどまり、会社側の施策に疑問符を投げかける株主の見方が明らかになった。

賛成比率では信元会長が77%(前回は92%)、荻野好正副社長は87%(同93%)、松本和夫副社長は87%(同94%)。前回の株主総会では3期ぶりに黒字転換したこともあり、株主からも一定の評価も得られたが、今回は一転したかたちだ。

2019年1月に私的整理の一種である事業再生ADR(裁判以外の紛争解決)を申請して、初めて株主との直接対話となった。19年3月期の最終損益は182億円の赤字(前の期は7億円の黒字)に再び転落した。総会に出席したある株主は「経営陣は責任を取って身を引くべきだ」と憤り、経営陣への批判が強まった。

買収防衛策の継続案も諮られたが、支持は74%にとどまった。買収防衛策は近年、「経営者の保身につながる」として国内外の投資家が反発する動きもあり、導入企業は減少傾向にある。今年の国内企業の総会でも買収防衛策への賛成率は下がっており、コーポレートガバナンス(企業統治)の緊張感が緩むのを懸念視しているようだ。

買収防衛策は、一般的に企業が独立性を保つ狙いがある。曙ブレーキは財政基盤の安定へ、出資受け入れを含めて支援企業の選定を進めている。会社側は第三者からの横やりを防ぐため目的を説明したものの、経営陣への不信が募っており、株主に嫌気されたもようだ。

ただ、第1号議案の定款変更には97%の賛成を集めた。議案は「医薬品、医薬部外品及び化粧品並びにその原料」などを定款に加える。環境負荷の低い摩耗材の材料を検討する過程で新素材を開発した。新素材は化粧品や医薬品などにも応用できるという。ブレーキ部品だけではなく、新たな収益源になる可能性がある。経営再建後の事業計画の一部を垣間見られたことで株主から好感を得られた格好だ。

株主は米国事業の悪化で経営不振に陥らせた現経営陣の責任を問う構えだ。会社側も6月1日付の組織改正で執行役員を28人から12人体制にスリム化した。信元会長ら経営陣は報酬削減などし、理解を求める。7月22日、9月18日には債権者会議を開き、再建計画案を審議・決議する。株主、債権者、支援企業の理解を得ることが経営再建の最低条件になる。(浅山亮)

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