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米緩和トレード再燃 利下げ示唆で円107円台・原油高

2019/7/11 12:05
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10日、米下院で証言するパウエルFRB議長=ロイター

10日、米下院で証言するパウエルFRB議長=ロイター

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が10日の議会証言で7月末の利下げを示唆し、世界の市場で米国の金融緩和をにらんだトレードが再び勢いを増した。為替市場ではドル売り・円買いが進み一時、1ドル=107円台となった。商品市場では原油や金が上昇した。日本株も上昇したが、円高に押されて上げ幅は限られている。

パウエル氏は「利下げの必要性が高まっている」と証言。5日発表の6月米雇用統計が好調だったために、市場で利下げ観測が和らいでいたが、パウエル氏が「(景気の)見通しが変わる内容ではなかった」と言及し、「緩和トレード」を再開させた。

為替市場では10日に1ドル=109円に迫った円相場が11日午前に108円前後まで円高に傾き、107円台となる場面もあった。「雇用統計後に買われたドルが、統計発表前の水準に戻ってきた」(外為どっとコム総合研究所の神田卓也氏)。市場には当面は108円を挟んだ展開が続くとの見方が出ている。

米国の金利低下が日本にも波及し、債券市場では長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは前日比0.010%低い(債券価格は高い)マイナス0.140%で推移している。

商品相場も上昇した。ニューヨーク市場のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物は10日、前日比2.60ドル(4.50%)高い1バレル60.43ドルと1カ月半ぶり高値となった。10日公表の米政府統計で原油在庫が大幅に減少し、需給の引き締まりが意識されたことも重なり「リスクオンムードの高まった投機マネーが原油を買いやすい状況になっている」(楽天証券の吉田哲コモディティアナリスト)。中東情勢の緊迫も相場を支えている。

金も指標となるニューヨーク先物が前日比12ドル(0.86%)高い1トロイオンス1412.5ドルだった。利下げ期待が再び高まったことで、金利のつかない金に買いが入った。

11日の日経平均株価は小幅に反発した。パウエル発言を受けて「一部で浮上していた利下げ先送りの懸念が払拭された」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘氏)との声が出ている。

一方、円高の進行が嫌気されて自動車など輸出関連株が下げた。金利低下が嫌気され、銀行株や保険株なども下落した。不適切な保険販売が発覚したかんぽ生命保険は上場来安値を更新した。海外でも米ゴールドマン・サックスや英HSBCなど金融株は軒並み下落している。

もっとも、緩和トレードが一気に強まる気配は乏しい。市場はすでに年3~4回の利下げを織り込んできた。「今回のパウエル発言はマーケットで織り込み済みの内容にとどまり、サプライズはない」(三井住友DSアセットマネジメントの平川康彦氏)との指摘が聞かれる。「景気減速の芽を摘み取る程度であれば、限定的な利下げにとどまる可能性がある」(三菱UFJ国際投信の小山洋美氏)として、過度に利下げ期待が膨らむことへの懸念もくすぶる。

(和田大蔵、高倉万紀子、坂口幸裕)

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