2019年8月23日(金)

米政権「仏デジタル税は不公正」 制裁視野に調査開始

トランプ政権
2019/7/11 6:35 (2019/7/11 7:27更新)
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トランプ米政権はフランスのデジタル税案に不満を強めている=AP

トランプ米政権はフランスのデジタル税案に不満を強めている=AP

【ワシントン=鳳山太成】トランプ米政権は10日、フランスが導入するIT(情報技術)企業への「デジタルサービス税」が米国企業を不公正に標的にしているとして調査を始めると発表した。不当だと認定すれば関税を含む制裁を検討する可能性もある。デジタル課税を巡る国際議論が進む中、単独で先行導入する仏に撤回を求めてけん制する狙いがあるとみられる。

米通商代表部(USTR)が、外国の不公正な慣行に一方的な措置をとる権限を与えた「通商法301条」に基づき調査を始めた。差別的で米企業の事業を制限していると判断すれば2国間協議に入り、解決できなければ追加関税を含む制裁措置を発動する規定がある。調査は最長1年間。

フランスのデジタル税案は世界で7億5千万ユーロ(約920億円)、仏国内で2500万ユーロ以上の売上高を持つIT企業を対象に、オンライン広告などの売上高に3%を課税する。欧州連合(EU)が同様の制度採用を見送ったため、仏が単独実施をめざしている。

USTRのライトハイザー代表は声明で、仏の法案が「不公正に米国企業を標的としている」と批判した。仏議会上院で11日にも法案が可決されることを「非常に懸念している」と表明した。

デジタル課税を巡っては、20カ国・地域(G20)や経済協力開発機構(OECD)を中心に、2020年中の最終合意に向けた議論が進む。USTRは「多国間協定の締結に向けた努力を他国と続ける」としており、議論がまとまる前の一方的な課税に反対した。仏は国際合意がまとまれば自国の制度を取り下げる構えだ。

GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)に代表される巨大IT企業を抱える米国では、議会や産業界から仏のデジタル税に反発が広がっていた。米国はIT企業に限らず、幅広い多国籍企業も含めた独自の課税方法を提唱する。

米政権は通商法301条を使って中国の知的財産侵害を認定し、2500億ドル(約27兆円)分の中国製品に追加関税を課した。制裁措置をちらつかせて相手国の政策に見直しを迫るもので、世界貿易機関(WTO)を通さない一方的な措置にはルール違反だとの批判もある。

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