2019年7月21日(日)

FRB、月末利下げ示唆 議長「必要性高まる」

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貿易摩擦
経済
北米
2019/7/11 4:10
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【ワシントン=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)は10日公表した6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で「景気の不透明さが続けば、金融緩和が近く正当化される」と明記した。7月末の次回会合での利下げを示唆したもので、パウエル議長も同日の議会証言で「利下げの必要性が高まっている」と明言した。利下げを決断すれば、2008年12月以来、10年半ぶりだ。

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6月18~19日のFOMCでは金融政策の現状維持を決め、政策金利を据え置いた。ただ、10日公表した議事要旨には「会合参加者は景気の先行きにリスクと不確実性が著しく高まっていると強調した」と指摘。景気の下振れリスクが解消されなければ「多くの参加者が、緩和的な金融政策が近く正当化されると判断した」と踏み込んだ。

パウエル議長は10日の下院金融サービス委員会での議会証言で「6月の会合以降も、貿易摩擦などが引き続き米景気の先行きの重荷となっている」と述べた。6月会合の議事要旨で指摘した景気リスクを追認した発言で、FRBが7月30~31日の次回会合で利下げに踏み切る可能性を強く示唆したものだ。

FRBが7月末の次回会合で利下げを決断すれば、金融危機の直後だった08年12月以来、10年半ぶりの政策金利の引き下げとなる。FRBは14年10月に量的緩和を終了し、15年末からは利上げ路線も再開したが、米金融政策は再び大きな転換点を迎えることになる。

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金融先物市場は既にFRBの7月末の会合での利下げを100%織り込んでおり、焦点は利下げ幅となる。同市場では0.25%との見方が71%と大勢を占める一方で、29%は0.5%の大幅な金利引き下げになると予測する。パウエル議長は10日の議会証言で利下げ幅を問われたが「今後のデータを詳細に分析する」と述べるにとどめだ。

米景気は拡大局面が11年目に突入し、戦後最長を更新したばかりだ。失業率も3%台半ばと半世紀ぶりの水準まで下がった。にもかかわらず早期の利下げを検討するのは「貿易摩擦や世界景気の減速懸念で、企業投資が顕著に減速している」(パウエル議長)ためだ。物価上昇率も1%台半ばと目標の2%から遠ざかっており、利下げの条件は整いつつあるとみる。

トランプ米大統領が「中国と競争するためにFRBは利下げすべきだ」と繰り返し圧力をかけていることも影響している。パウエル議長は10日の議会証言で「議会は我々に(政治からの)独立性を与えており、経済データに基づいて政策を決める」と強調したが、トランプ氏は同議長の理事への降格まで示唆。FRBは組織防衛の面からも利下げを先送りしにくくなっている。

FRBは金融危機後、主要中銀でいち早く利上げを再開して「政策金利の正常化」を進めてきた。基軸通貨ドルを抱えるFRBが再び利下げに転じれば、外国為替相場を通じて世界市場を揺さぶるのは確実で、日銀や欧州中央銀行(ECB)も再び金融緩和の拡大を余儀なくされる可能性がある。

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