2019年8月18日(日)

貿易摩擦が下方圧力 ユーロ圏20年成長率1.4%に 欧州委

2019/7/10 21:07
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【ブリュッセル=竹内康雄】欧州連合(EU)の欧州委員会は10日、2019年の夏季経済見通しを公表した。域内経済は好調な雇用が支える形で底堅い一方、米国と中国の貿易摩擦や中東の緊張状態の高まりなど外部要因が欧州景気に下押し圧力をかけるとして、20年のユーロ圏(19カ国)の成長率を前回5月時点の予測から0.1ポイント引き下げて1.4%とした。

EUの夏季経済見通しを発表するモスコビシ欧州委員(10日、ブリュッセル)=ロイター

19年の成長率は前回と同じ1.2%とした。EU28カ国では19年、20年とも変わらず、それぞれ1.4%、1.6%だった。欧州委のドムブロフスキス副委員長(ユーロ・社会対話担当)は声明で「今年と来年はすべての国がプラス成長を実現する」と述べた。

18年の1.9%成長から落ち込むものの、欧州委は域内経済は底堅いとみる。5月のユーロ圏の失業率は7.5%と08年7月以来の低水準だ。好調な雇用情勢に加え、一部の国の財政刺激策が家計の可処分所得を増やし、消費拡大につながっている。不振が続く自動車販売は持ち直しつつある。

下方リスクには警戒感を示す。米中貿易摩擦など米貿易政策が先行き不透明なことから企業が投資や生産に慎重になり、景況感が悪化していると分析。製造業だけでなく、金融市場の心理も冷やしていると説明した。イラン核問題など中東の緊張の高まりが原油価格を押し上げる可能性にも触れた。域内のリスクとして英国のEU離脱がなお不透明なことを挙げた。

記者会見したモスコビシ欧州委員(経済・財務・税制担当)は「成長率が予測通りになるかどうかはリスク次第だ」と述べた。その上で「多くのリスクを考慮し、各国は経済の柔軟性を強めねばならない」と訴えた。

ドイツを中心に製造業はなお弱い。欧州委はこの状況が続けば、雇用や消費にも悪影響を及ぼし、成長を押し下げるシナリオを懸念する。けん引役のドイツの成長率は19年は前回予測と同じ0.5%だが、20年は0.1ポイント引き下げ1.4%とした。財政状況が不安視されるイタリアは前回と変えなかった。

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