2019年7月21日(日)

北陸3県人口の減少率拡大 19年1月、社会増減もマイナス
定住促進、外国人共生が課題に

北陸
2019/7/10 20:00
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総務省は10日、住民基本台帳に基づく2019年1月1日時点の人口動態調査を発表した。北陸3県とも人口減少率は前年を上回り、人口移動を示す社会増減率(日本人住民)も3県そろってマイナス幅を広げた。東京への一極集中と人手不足が続く中、子育て世帯の定住促進や外国人との共生といった施策が一段と重要になる。

都市近郊では子育て環境の充実が進む(富山県内の学童保育施設)

3県の人口減少率は富山が0.58%で前年より0.1ポイント、石川が0.39%で同0.11ポイント、福井が0.54%で同0.08ポイントそれぞれ拡大した。昨年は3県すべてで減少率が縮まったものの、今年は押し戻された格好だ。

大都市圏を中心に域外への転出の流れが収まらない。石川と福井の社会減少率(日本人)は昨年に縮小したが、今年は再び拡大に転じた。石川の社会減少数は1729人と前年の3倍以上に増え、15年の北陸新幹線の金沢開業以降で初めて1000人を上回った。

出生と死亡による自然増減もマイナスが続く。県別の自然減少率は富山と石川が拡大した。市町村別では高齢化率の高い能登地域が深刻で、石川県珠洲市は自然減少率が1.83%と全国の市区で5番目に高い。自然減少数は同県能登町の302人が全国の町村で6番目に高い水準となった。

一方、都市近郊の市町村は居住や子育て環境の充実を掲げ、現役世代が集まる傾向が一段と鮮明になっている。

金沢市に隣接する石川県野々市市は区画整理による住宅地整備で若い世帯が増え、自然増加率が全国の市区で6位の約0.5%を記録した。商業店舗の誘致が進み都市機能の厚みが増す。17年には調理室や音楽スタジオを兼ね備えた図書館を開設し、若者や家族連れの交流拠点としてにぎわう。

面積が日本一小さい村で知られる富山県舟橋村は富山市に近く、人口増加率が2%を超え全国の町村で10位に入った。村は「子育て共助のまちづくり」を掲げ、15年に幼保連携型の認定こども園と公園が一体となったモデル地区を指定。9月にはエリア内に全20戸の賃貸住宅が完成する予定で、子育て世帯が近所の家族と相談しやすい環境を整える。

福井県鯖江市は若者に魅力的な職場を増やそうと、IT企業などのサテライトオフィスを積極的に誘致する。現時点で6社が市内にオフィスを設置した。オープンデータなどの先進的な取り組みも学生にアピールする。

全国と比べても目立つのが外国人住民の増加だ。3県の増加率は石川が11.82%、富山が9.72%、福井が9.15%といずれも全国平均(6.79%)を上回った。人手不足を背景に労働力としての存在感が高まっており、子供を含めた受け入れ体制の強化が課題となる。

北陸有数の製造業集積地である福井県越前市は、工場で働く日系ブラジル人が増え、人口に占める外国人の割合が4.9%に達する。市は3月に「多文化共生推進プラン」を策定。優しい日本語の使用推進や保育士へのポルトガル語教育などに5年をかけて取り組む。市の担当者は「日本人も外国人も互いに文化を理解する必要がある」と話す。

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