はやぶさ2、再着陸へ 人工クレーター目指す

2019/7/10 17:23
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宇宙航空研究開発機構(JAXA)の探査機「はやぶさ2」が11日午前、小惑星「りゅうぐう」へ2度目の着陸に挑む。金属弾をぶつけてつくった人工のクレーター(くぼ地)の近くに降り、地中にあった砂や岩石の採取を狙う。小惑星内部の物質を地球に持ち帰れば世界初の快挙だ。太陽系の成り立ちや生命誕生の謎に迫る貴重な手がかりになると期待が集まる。

はやぶさ2の2度目の着陸地点(黄色の円内)。右下の破線が人工クレーター=JAXA提供

小惑星りゅうぐうに着陸する探査機はやぶさ2の想像図(1度目の着陸)=池下章裕氏・JAXA提供

はやぶさ2は4月、りゅうぐうの地表に直径10メートルを超える人工クレーターをつくった。今回の着陸ではクレーターから約20メートル離れた半径3.5メートルの円内を目指す。クレーターができる際に飛び散って積もった地中の砂や岩石の採取が目的だ。

午前10時前後に高度30メートルまで下降し、着陸の目印を探して2.6メートル離れた目標地点を目指す。

カメラが目印をとらえると高度8.5メートルまで近づき姿勢を整える。ほぼ真下にある目標地点に向かって垂直に降下し着陸する。機体の一部を地表に押し付け、ほぼ同時に弾丸を発射。舞い上がった砂などを機体内のカプセルに回収し、すぐに上昇する。着陸は午前10時18~58分ごろになる見通しだ。

小惑星の地中は太陽光や宇宙線による「宇宙風化」の影響を受けにくい。太陽系が誕生した46億年前の痕跡が残っているとみられ、その砂や岩石を採取できれば科学的に貴重な試料となる。

地球の生命誕生を巡っては、太古の地球に衝突した小惑星に含まれる有機物や水分が、地球で生命が誕生するきっかけになったとする仮説がある。小惑星の地中の物質が含む有機物などを詳しく分析できれば、仮説の検証にもつながる。

JAXAのプロジェクトチームにとり、2度目の着陸に挑戦するかどうかの判断は簡単ではなかった。はやぶさ2は2月の1度目の着陸で地表の砂や石を回収し、機体内に保管できたとみられる。2度目の着陸に失敗して機体が壊れると、地球に持ち帰れなくなる恐れがある。1度目の着陸で舞い上がった砂ぼこりでカメラや高度計のレンズが曇り、精度が落ちるという懸念材料もあった。

JAXAは地中の物質を採取することの意義や十分安全に着陸できるかなどを慎重に検討した。レンズの曇りによる精度低下を織り込み、2度目の着陸では目印を捉える高度を1度目より下げるなどの変更も加えた。

JAXAの吉川真ミッションマネージャは9日の記者会見で「はやぶさ2が地球に帰ってきたとき、2回目の着陸をやってよかったという結果になることを期待して臨みたい」と語った。

はやぶさ2は2019年末までにりゅうぐうを離れ、採取した砂や石を収めたカプセルを20年末に地球に届ける予定だ。

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