仏、航空券に最大2200円課税へ 環境保護の声意識

2019/7/10 17:12
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【パリ=白石透冴】フランス政府は9日、フランス発の航空券を対象に、2020年から原則1.5~18ユーロ(約180~2200円)を課税するとの方針を発表した。欧州では環境保護を求める有権者が発言権を強めており、マクロン仏大統領はこうした声を意識した政策を打ち出している。仏エールフランスなどは競争力が落ちると反対している。

航空券への課税を発表するボルヌ仏交通担当相(9日、パリ)=ロイター

ボルヌ交通担当相が9日発表した。国内線や欧州内に向かうエコノミークラスの場合1.5ユーロ、欧州外に向かうビジネスクラスの場合18ユーロなどと説明している。仏紙レゼコーによると、販売される航空券の平均額の3~10%に相当する。フランス着の航空券やフランスを経由する乗り継ぎ便は対象とならない。

航空会社が課税分をそのまま上乗せするかなど、利用者にとっての影響は不透明だ。仏政府には1億8千万ユーロ程度の税収増につながり、環境保護に貢献するインフラ建設などに充てるなどとしている。

航空業界は反発しており、その代表がフランス発の航空便が約50%を占めるエールフランスだ。

9日の声明で「年6千万ユーロの利益押し下げ要因になる。当社の環境対策分野での投資も難しくなる」と主張した。18年度の国内線事業で1億8千万ユーロの損失が出ており、増税で事業がさらに悪化すると懸念している。

5月の欧州議会選では、環境保護を訴える政党が欧州各地で議席を伸ばした。フランスでも環境保護政党が伝統政党をおさえて第3党に食い込んだ。マクロン氏は大阪市での20カ国・地域首脳会議(G20サミット)でも気候変動対策を強く訴えるなど、環境政策への傾斜を強めている。

一部の欧州の環境保護派は、航空機の利用は鉄道よりも温暖化ガス排出につながっているとして、利用拒否を呼びかけていた。

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