新潟県の人口、初の2万人減 日本人減少数は全国3位
総務省が10日発表した住民基本台帳に基づく人口動態調査(1月1日時点)によると、新潟県の総人口は225万9309人で前年から2万1982人減少した。同調査で減少数が2万人を超えるのは初めてで、日本人の減少数は全国で3番目に多かった。減少率は0.96%と、前年から0.11ポイント拡大した。人口減少に歯止めがかからない状況が続いている。

県内の日本人人口は前年比で1.02%減少した。死亡数が出生数を上回る「自然減」は1万5629人、転出が転入を上回る「社会減」は7584人だった。

自然減と社会減を合わせた県内全体の日本人人口の減少数は2万3213人。都道府県別では北海道と兵庫県に次ぐ多さだった。1.02%の減少率も、全国で8番目に高い水準となっている。
日本人人口を市町村別にみると、30市町村の全てで人口減となった。減少数が最も多かったのは新潟市で、前年比4198人減。長岡市(2367人減)、上越市(2153人減)と続いた。新潟市の減少数は全国の市区で6番目の多さだった。
一方、外国人住民の数は前年に比べ1231人増の1万6792人だった。県内では、小千谷市が前年から35%増加。小千谷市の担当者は増加の理由について「市内の製造業などで外国人の採用が広がっているため」と分析する。
花角英世知事は昨年6月の就任直後から、人口減少への対応を重点施策の一つに掲げてきた。19年度予算では、県内での起業促進や子育て支援などを拡充している。
人口減少数の多い上越市は今年度から、同市への移住者5人に「移住インフルエンサー」としてSNSで移住や市の魅力について情報発信してもらう。佐渡では住民が主体となり、移住者を増やす取り組みも始まった。佐渡の子育て世代が中心となり、8月に親子を対象にした移住体験ツアーを実施する。住民目線で移住に関する相談に乗るという。
人口減少は地域経済の衰退だけでなく、県財政も圧迫している。地方交付税は人口減少などを背景に8年連続で減っている。歳入減が響き、県の基金残高は21年度末にも枯渇する見通しだ。「人口減少は特効薬のない課題」(花角知事)だが、減少スピードを抑えることが待ったなしとなっている。