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止まらぬ局所バブル セレクトセール、200億円超え

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2019/7/13 6:30
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世界に類を見ない「お化けセール」が、またも記録を塗り替えた。7月8、9の両日、北海道苫小牧市で行われた競走馬のせり市場「セレクトセール」(日本競走馬協会主催)。売却総額、売却率などほぼ全ての指標で過去最高を更新し、誰もが「まさか」と思っていた2つの大台をいとも簡単に突破した。

4億7千万円の最高値が付いた「タイタンクイーンの2019」と購入者の近藤利一氏=共同

4億7千万円の最高値が付いた「タイタンクイーンの2019」と購入者の近藤利一氏=共同

初日の1歳部門で売却総額が107億3200万円(税抜き、以下同)と「1日100億円」を超えたと思ったら、2日目の今年生まれた当歳部門も、初日より上場頭数が23頭も少ない中で97億8400万円と、2017年に記録した同部門の売却総額記録を10億9150万円も更新。2日間の売却総額は205億1600万円と、200億円の大台を突破した。せりを主導するノーザンファーム(NF)は、生産馬の戦績面でもマーケティングの面でも勢いを増す一方。1998年のセール創設当初から参戦する常連組と、まだ馬主登録数カ月という新規組が相場を押し上げ、局所バブルともいえる状況を演出した。

当歳馬も9割近くが落札

初日の午後6時半ごろ。上場番号220番の牡馬(父へニーヒューズ、母ケイティバローズ)が競り合いの末、2100万円で市川義美氏に落札された。同日の売却総額が100億円の大台を突破した瞬間である。初日の上場馬は239頭。まだ26頭も残した段階で、1日100億円という世界の競走馬市場でも前代未聞の数字がたたき出された。

競りの終了は午後7時25分ごろ。生中継していた競馬専門局「グリーンチャンネル」の放送時間は午後7時までで、この枠に収まらない事態に。関係者が「こんなに遅かったのは記憶にない」と話すほどだった。

遅れたのは、価格帯を問わず上場馬の大半が競り合いとなり、時間を要したため。主催側は競り終盤まで上客を会場に残すため、最後に人気種牡馬ハーツクライの産駒でNF生産の牡馬(母マラコスタムブラダ)を配置した。同日の最高価格馬(牡、父ディープインパクト、母ミュージカルウェイ。全姉は2015年オークス、秋華賞優勝馬ミッキークイーン)を落札した近藤利一氏も残って競りに加わったが落札は成らず。価格は2億3000万円にはね上がり、初日の売却総額は107億3200万円。前年を10億円以上も上回る史上最高となった。

昨年は初日と2日目で様相が一変した。96億6150万円を記録した初日が購入者側にも高過ぎと映ったのか、2日目の当歳部門で勢いが鈍り、総額は17年を下回った。もともと当歳部門に上場される馬は、長くて生後5カ月余りで人間なら乳幼児である。「世界一速い男」ウサイン・ボルト級の才能があっても、学齢期前にそれを見抜くのは不可能に近い。当歳馬を買うのは無理があり、全体に相場が高くても、1歳馬を買う方がまだ理にかなっている。

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