玄海原発の差し止め認めず 福岡高裁

2019/7/10 14:09 (2019/7/10 15:55更新)
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「不当判決」の紙を掲げる原告側(10日午後、福岡市中央区の福岡高裁前)

「不当判決」の紙を掲げる原告側(10日午後、福岡市中央区の福岡高裁前)

九州電力玄海原子力発電所3、4号機(佐賀県玄海町)を巡り、住民らが運転差し止めを求めた仮処分申請の即時抗告審で、福岡高裁(山之内紀行裁判長)は10日、差し止めを認めなかった佐賀地裁決定を支持し、住民側の抗告を退ける決定をした。

差し止めを求めていたのは佐賀や福岡など16都府県の計173人の住民ら。東京電力福島第1原発事故後の2011年7月に「耐震設計の目安となる基準地震動が過小評価されている」などと訴えて仮処分を申し立てたが、佐賀地裁は17年6月に住民側主張を退けた。

住民側は高裁での即時抗告審で新たに「火山の破局的噴火の可能性が小さいとはいえない」と、火山リスクに関する主張を追加。九電側は「合理的な手段で噴火の可能性が低いことを確認している」と反論していた。

山之内裁判長は火山リスクについて「巨大噴火が発生する可能性が相応の根拠をもって示されておらず、立地を不適とすべきであるとはいえない」と指摘。防災上、低頻度の巨大噴火を想定しなくてもよいとの社会通念があるとし、原子力規制委員会の判断にも不合理な点はないとした。

住民側は決定交付後に福岡市内で記者会見し「極めて不当な決定で理不尽だ。今後も原発の抱える危険性を訴えていく」との声明を発表した。

玄海原発3、4号機は17年1月に原子力規制委の審査に合格し、18年に順次再稼働した。九電は「さらなる安全性、信頼性向上への取り組みを自主的かつ継続的に進める」とするコメントを発表した。

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