英与党党首選、初のテレビ討論 EU離脱時期巡り対立

2019/7/10 6:27
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【ロンドン=中島裕介】英国のメイ首相の後任を選ぶ与党・保守党の党首選で9日、決選投票に残った2人による初めてのテレビ討論が行われた。最大の焦点の欧州連合(EU)離脱では、ジョンソン前外相が10月末の離脱を強く訴える一方、ハント外相は延期に含みを残して見解が割れた。駐米英国大使がトランプ米政権を批判するメールを本国に送ったとされる問題では、人事権を持つハント氏が大使の留任を言明した一方、ジョンソン氏は解任の是非について結論を出すのを避けた。

決選投票は英各地の16万人の保守党員の郵便投票により、23日に結果が発表される。最近の各種世論調査ではジョンソン氏が7割前後の支持を得て優位に立っており、討論でこの流れが変わるかが焦点だった。議論ではジョンソン氏が回答を避ける場面も多く、ハント氏が優勢だったものの、英国内では「形勢逆転に至るほどではない」との評価が大勢だ。

EU離脱を巡っては、両者とも経済に混乱が及ぶ恐れのある「合意なき離脱」は選択肢から外すべきではないとの立場だ。だが現在の期限である10月末に必ず離脱すべきかを巡っては、意見が分かれている。

ジョンソン氏は「(政権への)信頼の損失を止めるには、10月末に離脱することが絶対に重要だ」と主張した。経済に混乱を及ぼす「合意なしで終わる確率は低い」としつつ、合意なしでも影響は「あまり大きくはない」と述べた。

英国の次期首相を決める保守党党首選ではジョンソン前外相(左)がハント外相を大きくリードする=ロイター

英国の次期首相を決める保守党党首選ではジョンソン前外相(左)がハント外相を大きくリードする=ロイター

ハント氏は「実現できるとわかるまでは(時期を)明確に約束すべきではない」と反論。EUとの再交渉の望みが残る間は、離脱延期も検討すべきだとの立場を強調した。そのうえでジョンソン氏に「10月末に離脱できなければ、首相を辞めるのか」と迫った。ジョンソン氏は「失敗も含めてあらゆる状況を想定しておくことが重要だ」と述べ、辞任はしない考えをにじませた。

ダロック駐米大使がトランプ政権を批判したとされる問題では、トランプ氏がツイッターで大使について「愚か者だ」と攻撃するなど波紋が広がっている。現職の外相のハント氏は「大使を選ぶのは英政府だ」と述べ、首相になった場合でもダロック氏を留任させると言明した。ジョンソン氏は「緊密な米英関係は極めて重要だ」と述べた一方、大使の進退に関する回答は避けた。

ジョンソン氏は国民的な人気は高い一方で、失言も多く「信用できない」という評判も目立つ。自らの人間性についてジョンソン氏は「私は困難な状況で驚くような結果を出す」と強調。残留が有利とされていた2016年の国民投票で離脱派を勝たせたことなどを引き合いに、自身の実行力をアピールした。

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