米台接近、戦車売却を承認 中国は猛反発
台湾蔡総統、近く米立ち寄りへ

2019/7/9 18:38
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【台北=伊原健作、北京=高橋哲史】トランプ米政権が台湾への総額22億ドル(約2400億円)相当の武器売却を承認し、米台の接近が一段と鮮明になっている。中国は「ただちに撤回を求める」と猛反発しており、台湾問題は貿易戦争の「一時休戦」で合意した米中が再び対立を深めるきっかけになりかねない。

米政府が台湾への売却を承認したM1A2エイブラムス戦車(16年3月、米ジョージア州)=ロイター

トランプ政権が8日に台湾への売却を承認したのはM1A2エイブラムス戦車108両や、携行可能な地対空ミサイルのスティンガーなど。総額は2011年にオバマ前政権が主力戦闘機の更新などで58億ドルの武器売却を認めて以降、最大規模となる。米国防総省は「台湾の軍事力の近代化や米国との相互運用性の一段の向上につながる」と説明している。

台湾側は中国の上陸作戦に対抗する主力戦車を熱望していた。蔡英文総統は9日「米国政府は具体的な行動で(台湾の防衛力を高める)約束を履行した」と歓迎した。

中国は激しく反発している。外務省の耿爽副報道局長は9日の記者会見で「中国の内政に乱暴に干渉し、中国の主権と安全に損害を与える行為であり、強烈な不満を表明して断固反対する」と米国を批判した。そのうえで「ただちに台湾への武器売却計画を撤回し、米台の軍事的な関係を停止」するよう求めた。

蔡氏は米国への接近を通じ、台湾への圧力を強める中国に対抗しようとしている。11~22日にカリブ海の島国4カ国を歴訪する際は、往路と復路でそれぞれ米国に立ち寄る。台湾メディアはニューヨークで米政府関係者らと交流するかが注目されると報じた。中国が反発を強めるのは必至だ。

中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席とトランプ氏は6月29日の首脳会談で貿易戦争の「一時休戦」で合意した。習氏は貿易問題でトランプ氏にある程度の譲歩ができても、台湾や南シナ海など「核心的な利益」にかかわる問題では一歩も引けない。台湾問題は今後の米中貿易協議に影響する可能性もある。

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