2019年8月26日(月)

NEC、脳卒中の救急治療に生体認証 KNIと実証

2019/7/9 18:09
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NECと医療法人社団KNI(東京都八王子市)などは9日、脳卒中などで意識障害が起きた人の救命措置に生体認証を応用する実証実験を始めたと発表した。顔認証や指静脈認証などで本人を確認し、事前に承諾を得た検査・治療を施し、効果を検証する。成果が上がれば脳卒中の初期治療の迅速化や生体認証の救急医療分野への応用などの可能性が高まる。

医療法人社団「KNI」の北原茂実理事長

NECの中俣力執行役員常務

脳卒中は初期治療が遅れるほど重症化のリスクが高まる。「厚生労働省は発症から6時間以内を目安とするが、1時間も経過すればリスクは高まる」(KNIが運営する北原国際病院の北原茂実理事長)。ただ脳卒中の患者は意識がないことが多く、本人確認に手間取り治療が遅れやすい。家族が同行していないケースでは数時間かかることが多いという。こうした本人確認の課題をNECの生体認証の技術を応用して解決する。

NECが治療に必要な情報を管理する専用のシステム基盤を構築した。KNIと連携して会員制の医療支援サービスを運営するキタハラ・メディカル・ストラテジーズ・インターナショナル(東京都八王子市、KMSI)が、生体認証用の顔画像や指静脈のデータと、輸血の可否や入院の同意といった治療に必要な約50項目の情報を患者の承諾を得て事前に取得し、システム基盤に登録する。救急医療の際には、KNIがこの基盤から情報を取得し、検査や治療に当たる。

実証に参加する患者はKMSIの医療支援サービスの会員50人。1年間の実証期間中に300人に増やす方針だ。病院側はKNIのほか、八王子市内の提携医療機関が1~3カ所程度参加する見通しという。

実証に取り組むにあたり、内閣官房が新技術の実証を進める目的で設定した「サンドボックス制度」の認定をKNIとKMSIが6月28日に取得した。治療の前に患者に適切な説明を義務付ける医療法への対応や、既往症など機密性の高い個人情報を第三者に提供することが個人情報保護法に抵触しないかを確認するためという。

今回の実証が成果を上げれば、これらの法規制も解消に向かいそうだ。他の地域やKNI以外の病院にも仕組みが広がると期待される。NECにとっては得意とする生体認証技術を医療分野に広げられる可能性がある。(企業報道部 島津忠承)

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