ハウステンボス、入場料を実質下げ 10月から

2019/7/9 17:43
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テーマパーク運営のハウステンボス(HTB、長崎県佐世保市)は9日、10月から入場料金を実質的に下げると発表した。価格を下げることで、入場者数を増やすほか、滞在時間も延ばしてもらい、客単価は維持していくことを目指す。坂口克彦社長は「新戦略を掲げて、2025年9月期には過去最高益を達成したい」と話した。

記者会見するハウステンボスの坂口社長(9日、長崎県佐世保市)

記者会見するハウステンボスの坂口社長(9日、長崎県佐世保市)

HTBは10月1日から入場料と施設内のアトラクションなどが楽しめる7千円の「1DAYパスポート」で従来は別料金だったゴンドラや観覧車なども乗れるようになる。2100円の追加料金が必要だった無人島を活用したAR(拡張現実)体験型の「ジュラシックアイランド」も無料にする。

新たに、65歳以上のシニアや妊婦、未就学児やペットを連れた入場者を対象にした「おもいやりパスポート」を5千円で提供する。アトラクションの追加料金が不要になるだけでなく、園内を移動する「カートタクシー」も無料になる。

夕方以降の入場料金も改定する。これまで、18歳以上で午後4時から入場する場合で5400円だったのを午後3時からで5千円に値下げした上で、アトラクションなどを楽しんでも追加料金がかからないようになる。

前社長の沢田秀雄会長のカリスマ性に頼っていた経営を組織経営に変革するに当たってマーケティング戦略も変える。顧客や従業員などの声を重視することとなり、その一環として「ハウステンボイスキャンペーン」を10月から始める。施設内に専用ポストを設置し、入場者からアイデアや要望を募集する。

採用アイデアには年間パスポートの進呈などの表彰制度を設ける。第1弾は12月31日までで、20年1~3月には第2弾を実施する。また、施設内を案内するアプリを開発して利便性を高めて、顧客満足度の向上もめざす。

9日の記者会見で坂口社長は「価格改定やマーケティング戦略の転換などで来場者を増やし、増収増益基調として株式上場などを実現したい」と強調した。

■坂口社長「25年9月期に一定の成果を」

ハウステンボスの坂口克彦社長は9日、HTB施設内で記者会見した。主なやり取りは以下の通り。

――実質的な値下げだが、入場者数や利益面で影響は。

「顧客からの声を聞いたり、インターネットで調べたりすると入場料金についての要望を多く見かけた。パスポートとして買っているのに、施設内で追加料金がかかるとの声が少なくないことに対応した。利益面での影響は否定しないが、入場者数の増加でカバーできると考えている。また、アトラクションの利用が増えれば、滞在時間も延びるはずで、施設内のレストランなど飲食の売上高増が期待できる。客単価への影響は抑えられると考えている」

――2~3年以内での株式上場を目指している。新戦略での見通しは。

「今期や来期は1ケタ成長にとどまる見通しだ。ただ、親会社のエイチ・アイ・エスからは25年9月期で一定の成果を出すことが求められている。HIS体制下での単体営業利益としては最高水準の90億円台に乗せたい。入場者数については計画達成年より前に380万人は突破したい。目標が達成できなければ自分の進退にも影響するという覚悟で取り組んでいく。成長基調に乗せ株式上場を果たしたいと考えている」

――コスト削減はどう考えている。

「既にぎりぎりまで経費については削っていると思う。入場者数のために必要なコストはかけていく。また、沢田会長からは社員の待遇改善も求められている。販管費などが増加傾向になるのは避けられないが、それを上回る増収で収益を確保していく方針だ」

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