「東京キャラバンを文化遺産に」 監修の野田秀樹が意欲

文化往来
2019/7/15 6:00
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2020年の東京五輪に向けた文化イベント「東京キャラバン」は、ダンスや演劇など幅広いジャンルのアーティストが各地を回り、郷土文化と融合したパフォーマンスを作り上げる公演だ。5年目となる今年は5月に修了した福島県のほか、埼玉県、富山県、岡山県、北海道で開かれる。

「2020年以降も続けてほしい」と語る野田秀樹(右)と「思いもよらない瞬間が楽しい」と話す松たか子

「2020年以降も続けてほしい」と語る野田秀樹(右)と「思いもよらない瞬間が楽しい」と話す松たか子

「それぞれの文化のすばらしさを損なわず、邪魔立てせず、いかに混ざりあうかを考えてきた」と、総監修を務める劇作家・演出家の野田秀樹は振り返る。ミュージシャンの東京スカパラダイスオーケストラ、女優の宮沢りえ、振付家・ダンサーの近藤良平らが参加し、ブラジル・リオデジャネイロや京都・二条城など昨年までに11カ所で公演してきた。

中でも印象深いのは今年2月に開いた秋田県横手市での公演だ。なまはげに向かって姉妹音楽ユニットのチャラン・ポ・ランタンが「愛の賛歌」を歌いながら愛を語りかけると、なまはげが驚いて固まった。こうした「予測しないところで生まれる感動的な瞬間」が醍醐味だという。出演経験のある女優の松たか子も「思いもよらない瞬間が楽しい」と笑う。

公演は2015年に野田の発案で始まった。東京都による五輪関連の文化事業の中心に位置づけられており、費用は東京都や開催自治体などが負担している。「文化遺産として残るものにしたい。2020年で終わることなく、続けてほしい」と野田は期待を寄せる。各地の文化については「東京キャラバンの公演で異質なものと出合った瞬間、豊かに広がる。出合うことでしか新しいものは生まれないし、保存もされないと思う」と持論を語った。

来年は代々木公園や明治神宮など、1964年の東京五輪の会場近くで節目の公演を計画しているという。

(佐々木宇蘭)

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