2019年8月23日(金)

せかい旬景 大聖堂ヨガで心も健康に(サンフランシスコ)

コラム(国際・アジア)
2019/7/20 5:50
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大聖堂にヨガマットを持った仕事帰りの男女が次々と集まってくる。米サンフランシスコ市のグレース大聖堂では毎週火曜日の夕方、老若男女、人種も宗教も問わず誰でも参加できるヨガイベントを開催している。入り口には10ドルから20ドルの寄付を呼びかける案内がある。もちろん寄付できなくても参加できるが、10ドル以下や20ドル以上の人も含め、ほとんどの人が寄付している。数に限りはあるがヨガマットの貸し出しもあり、荘厳な空間でのヨガは人気で毎週500人から800人が集まる。

火曜日の夕方、仕事帰りの人々がヨガマットを持って集まってくる(米・サンフランシスコのグレース大聖堂)

火曜日の夕方、仕事帰りの人々がヨガマットを持って集まってくる(米・サンフランシスコのグレース大聖堂)

午後6時15分になると、カジュアルな服装で司祭が登場。聖書からの引用を交えながら「ルーツを探る」「心の旅」などその日のテーマを語り始める。テーマはヨガインストラクターに引き継がれ、誘導とともにヨガが始まる。毎回異なるミュージシャンの生演奏の中で行われ、クリスマスの時期には大聖堂の聖歌隊とのコラボレーションも。訪れた日はエレクトリックシタールや打楽器と人の声を組み合わせた静かな即興音楽が空間を満たしていた。

人種や宗教を超えて多くの人々が集まる

人種や宗教を超えて多くの人々が集まる

終了は7時30分。その後は仲間の家やレストランに繰り出す人も多く、記者もボランティアスタッフの家での気軽なパーティーに誘われたが、残念ながら先約があったため行けなかった。ほぼ毎週参加しているというジム・ハーバーさん(56)は「健康的なライフスタイルにヨガは欠かせない。生演奏の音楽は最高。ここに来れば平和な心でつながる多様な人たちとの一体感を感じられる」と語る。ボランティアでヨガ歴4年の川本圭三さん(44)は「観光で訪れた日本のみなさんも、この場所でのヨガを体験して人種や宗教を超えた素晴らしいコミュニティーの存在を感じてほしい」と話す。

愛犬を連れてヨガに参加する人も

愛犬を連れてヨガに参加する人も

米金融サービスのウォレットハブの調査では、同市は1人当たりの遊歩道やランニングコース数、健康重視のレストラン軒数などの指標を集計した「健康都市ランキング」で全米一とされている。今月には電子たばこの販売・配布を禁止する条例も成立した。

市内には配車サービス大手ウーバーテクノロジーズなど新興企業本社があり、スタートアップも多い。グーグルなど大手IT企業の本社が集まるシリコンバレーには車で約1時間。富裕層が増え、家賃は高騰。連日高級レストランがにぎわう一方、生活コストが高すぎて郊外に引っ越す人も増えているという。

マリーナグリーンにある青空ジム

マリーナグリーンにある青空ジム

日曜日に観光名所のゴールデンゲートブリッジも見えるマリーナグリーンにある青空ジムを訪れた。誰でも気軽にジムで汗を流せ、周辺は広い公園で海にも近い。橋の近くのビーチではランニングや犬の散歩を楽しむ人たちも多い。

青空ジムで汗を流す人たち

青空ジムで汗を流す人たち

「ここは開放的で気持ちがいい。毎日来て1時間ぐらいトレーニングしている。運動中に聴く音楽はピンク・フロイドかディープ・パープル。最近は友達の影響でジャズも聴くようになった」と話すのはベラルーシからの移民でマッサージの仕事をしているサージ・ヤキムさん。アップル社に勤めているアレックス・ボデットさんはフランス出身で「平日は室内のジムに行くけど、休日は妻とここに来る。みんな健康的な生活が大好きだよ」と爽やかに話してくれた。

ゴールデンゲートブリッジ近くのビーチには、健康的に体を動かす人たちなどが集まる

ゴールデンゲートブリッジ近くのビーチには、健康的に体を動かす人たちなどが集まる

ヘルシーな人ばかりというわけではないが、ランニングコース、青空ジム、大聖堂のヨガコミュニティーなど低コストで気持ちよく楽しめる選択肢がある。一方で富裕層が楽しめる菜食の高級レストランなどお金で買える健康オプションも豊富にそろう。そんな懐の広さがサンフランシスコらしさなのだろう。

取材を快く受け入れてくれた大聖堂に集まった人たち。カメラを持って日本からやって来た異質な存在の自分さえ、包み込まれてしまうような体験だった。

(写真映像部 小園雅之)

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