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住宅ローン早期返済か、資産運用か(運用相談室)

2019/7/17 12:00
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資産運用の悩みは人それぞれ。投資信託をどう選んだらいいのかも年齢や年収、投資経験などで違ってくる。日経電子版の「投資信託サーチ」を使いながら、投信選びのヒントを資産運用のプロが解説する。今回助言してくれるのは、独立系金融アドバイザー(IFA)の尾口紘一氏。

【相談内容】Dさんは35歳の男性会社員で、今秋に結婚を控えている。2年前にマンションを購入し、住宅ローンを組んだ。投資に興味があるので投資信託や個別株を購入しているが、住宅ローンの繰り上げ返済と資産運用のどちらを優先すべきか迷っている。

■繰り上げ返済のメリットは

「老後に2000万円必要」とした金融庁の報告書が話題になったことで、資産形成への関心が高まっています。Dさんのような現役世代にとって、住宅ローンの返済は老後の資金計画にも大きく影響するので、繰り上げ返済するかどうかは重要な選択肢になるでしょう。

住宅購入は人生で一番高い買い物ともいわれます。住宅ローンを借りる際は、返済期間、金利、毎月の返済額などを慎重に検討する人が多いでしょう。負債であるローンや利息に対してネガティブな意識を持つ人が多く、一日でも早く返済を終えたいと考える傾向があります。

実際に住宅ローンを借りた半数以上が繰り上げ返済をするという統計もあります。返済期間が短いほど利息の負担が小さくなり、返済総額が抑えられるメリットがあるからだと思います。一般に定年退職後は年金収入だけになる人が多いため、なるべく余裕のある現役のうちに完済したいという意識も強いようです。

■「返済後に投資」vs「返済と投資を並行」をシミュレーション

しかし、本当にそれだけが「正解」でしょうか。検討する項目に「資産形成」を含めると、答えが大きく変わる可能性があります。まずはシミュレーションしてみましょう。

2つのパターンで考えてみます。1つは返済期間20年でローンを組み、返済した後に積み立て投資を始めた場合(パターンA)。もう1つは35年ローンを返済しながら積み立て投資を同時並行した場合(パターンB)です。どちらも3000万円を借り入れ、元利均等払いで返済し、運用利回りは年4%とします(詳細は図表に記載)。

住宅ローンの総返済額だけを比較すると、返済期間が短いパターンAが338万円ほど少なくてすみます(3718万円-3380万円)。一方、投資元本と運用収益とを足し合わせた「運用成果」を見ると、パターンAの3460万円に対し、パターンBは4694万円。長く積み立てをしたパターンBが1234万円ほど多くなりました。

■老後資金に1000万円以上の差

パターンAもBも、毎月の支払合計額は35年間ずっと同じ14万円程度です。あくまでシミュレーションですが、毎月支払う内訳を期間で住宅ローン返済と積み立て投資に分けるかどうかの違いで、Dさんが60代後半になった時に手元に残るお金に1000万円以上も差が出ることがわかりました。

多くの人にとって、資産形成の目的は退職後の生活を考えてお金を増やしていくことです。住宅ローンの返済だけで計画を立てるのではなく、投資をしながらお金を育てていくことも選択肢に入れて、幅広く検討するのがいいでしょう。

逆に投資に興味があるからといって、無計画にあれこれ手を出すのは危険です。自分に合った金融商品をしっかり選んで、個人型確定拠出年金(iDeCo)やつみたて少額投資非課税制度(NISA)など税制優遇制度を活用しながら、無理のない範囲で資産形成に取り組むことをおすすめします。

つみたてNISAの対象商品を探すには、日経電子版にある検索機能(▼マーケット→投資信託→投資信託サーチ→詳細版)が便利です。銘柄属性の「つみたてNISA採用」の項目で「絞り込む」にチェックし、検索ボタンを押すと対象商品が一覧表示されます。どの資産で運用する商品か選びたい場合は、「QUICK投信分類」で選択できます。

尾口紘一氏
株式会社Fan(富山市)社長。大手証券会社勤務を経て2008年に起業。

(QUICK資産運用研究所)

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