2019年8月23日(金)

地方景気の回復足踏み 日銀、全9地域で判断据え置き

2019/7/8 20:43
保存
共有
印刷
その他

地方景気の回復が足踏みしている。日銀は8日発表した7月の地域経済報告(さくらリポート)で全国9地域すべての景気判断を据え置いた。設備投資や個人消費の底堅さが支えとなる一方、米中貿易摩擦の影響で輸出や生産は鈍っている。今後の見通しも海外経済や消費増税後の内需の行方に警戒感が強い。

日銀は四半期ごとに全国の支店長が集まって景気動向を議論する。今回は昨年7月以来、1年ぶりに全地域の景気の総括判断を据え置いた。いずれも景気は「拡大」か「回復」と前向きな評価を維持したが、項目別にみると強弱が入り交じる。

企業の設備投資意欲は旺盛で、中国地方は設備投資の判断を「緩やかに増加」に引き上げた。日銀が支店などを通じて聞き取った企業の声からは、非製造業を中心に活発な投資姿勢がうかがえる。人手不足に対応する省力化投資や、ネット通販向けの物流施設の新設などに動く例がある。

個人消費も良好な雇用・所得の環境が追い風となっており、全地域が現状の判断を据え置いた。「10月の消費増税を意識してエアコンなどの購入を前倒しする動きがみられる」(水戸の小売業)との指摘もあった。

生産の判断は北海道が上げた一方、近畿と中国地方は下げるなどばらつきが出た。松江の生産用機械の企業は「米中摩擦が長期化する可能性が高まった5月以降、受注水準が一段と切り下がった」という。「家電や車載向けの受注が回復する時期は2019年度下期とみていたが、後にずれる可能性が高まった」(仙台の電子部品・デバイス)といった声もある。

6月の全国企業短期経済観測調査(短観)や今回のさくらリポートで内需には底堅さがあることが確認され、市場では「当面は日銀が政策対応に動く必要性は薄れた」(大和証券の岩下真理氏)との指摘も出ている。

ただ、内需の持続力には不透明感もある。内閣府が8日に発表した6月の景気ウオッチャー調査では、景況の方向感を示す指数(季節調整値)が2カ月連続で悪化した。前月から0.1ポイント低い44.0と3年ぶりの低水準だ。消費増税後に駆け込み需要の反動が出ることへの懸念も強い。

海外経済にもリスクは多い。米国は中国向け追加関税の「第4弾」を先送りしたものの、日銀の山田泰弘理事(大阪支店長)は「企業はいったん胸をなで下ろしたが、完全には安心していない」とみる。日本政府は韓国に対して半導体材料の輸出規制を発動した。世界経済に影響が大きい半導体市況に影響を及ぼす可能性もある。

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。