公式戦初白星の仲邑初段、囲碁「小学生棋士」の系譜

囲碁・将棋
文化往来
2019/7/8 19:17
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公式戦の初勝利を挙げ、記者会見に臨む仲邑菫初段(8日、大阪市)

公式戦の初勝利を挙げ、記者会見に臨む仲邑菫初段(8日、大阪市)

史上最年少で囲碁のプロ棋士になった仲邑菫初段(10)が8日、公式戦2局目で初白星をつかんだ。将来を嘱望されて「英才枠」でプロ入りした小学5年生は、井山裕太王座(30、棋聖・本因坊・天元)ら日本棋院の「小学生棋士」の系譜に名を連ねる。小学生棋士の先輩はいずれもタイトルを獲得する名棋士となっており、仲邑初段もその第一歩を踏み出した。

日本棋院によると初めて小学生でプロ入りを決めたのは林海峰名誉天元(77)だ。「碁の神様」とよばれた呉清源九段に台湾で見いだされ、10歳で来日し、まもなく入段した。しかしデビュー直後は2連敗でのスタート。1年目終了時には8勝3敗と盛り返したものの「のんびりしたものだった」と以前インタビューで語っていた。

その林名誉天元に6歳で挑んだハンディ戦で才能を認められたのが趙治勲名誉名人(63)だ。名門の木谷道場でもまれて11歳で入段し、翌年から毎年のように昇段。七大タイトルをすべて経験する「グランドスラム」を史上初めて達成した。仲邑初段については6月30日、兵庫県宝塚市で開かれたイベントでの対局を解説して「すばらしい才能」と語っていた。

井山裕太王座

井山裕太王座

前人未到の七大タイトル独占を2度達成した井山王座も、小学6年で入段を決めた。1年目から21勝4敗と抜群の成績を挙げ、16歳で全日本早碁オープン戦を制するなどプロ生活の出だしは順調だったようにみえる。しかし入段当初は「伸び悩んでいた時期だった」と振り返る。プロで強い相手と対戦するようになり、自分の碁を見失いかけたという。1月のイベントで仲邑初段と対戦し、「自分の入段した頃より強い」とたたえる。

藤沢里菜女流本因坊

藤沢里菜女流本因坊

仲邑初段に破られるまでプロ入りの最年少記録をもっていたのが、藤沢里菜女流本因坊(20、女流立葵杯・女流名人)だ。祖父が藤沢秀行名誉棋聖、父が藤沢一就八段(54)。恵まれた環境といえるが、「11歳で入段した時は全然、弱かった。プロ意識もあまりなかった」。1年目の成績は6勝7敗で負け越し。手応えをつかみ始めたのは3~4年目だったという。仲邑初段については「実力もあるし、取材陣に囲まれてもまったく動じているようにはみえない。オーラを感じる」と言う。藤沢女流本因坊は2014年、史上最年少記録の15歳9カ月で女流棋戦を制しており、かねて「タイトルをとりたい」と話している仲邑初段にとって当面の目標になりそうだ。

(山川公生)

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