台湾エバー航空、10日にスト終結へ 30万人規模に影響、信頼回復が課題に

2019/7/8 18:17
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【台北=伊原健作】台湾の航空大手、長栄(エバー)航空で6月20日から続いていたストライキが、7月10日午前0時(日本時間同1時)に終了する見通しになった。ストを行った客室乗務員らの労働組合と会社の交渉が8日までに妥結した。ストで会社は100億円規模の売上高を失った。株価はスト前に比べ4%超下落し、顧客の信頼回復が課題となる。

同社は交渉が妥結した6日、顧客らに不便をかけたことに「深く謝罪する」とのコメントを出した。同日までの計17日間で、計1440便が欠航。30万人近くに影響が広がり、東京、関西、名古屋などと台湾をつなぐ多数の日本便にも影響が出た。運航が完全に正常化するのは7月後半になる見通しだ。地元メディアは台湾の航空史上で最大のストだと報じた。

労組は日当の増額などを求めストに入った。だが客室乗務員の待遇は他業界などに比べ恵まれ、社会の共感が広がらなかった。途中で職場復帰する組合員が後を絶たず、交渉で妥協を迫られた。

一方で混乱を長引かせた会社側への批判も根強い。台湾主要紙の経済日報(電子版)は「組合、会社側、消費者、(仲裁に当たった)政府がそれぞれ損失を出し、勝者はいない」と論評した。

足元の株価は6月20日のスト発生直前に比べ4.5%下落している。交渉妥結を受けた8日も前営業日比0.3%高と、戻りが鈍い。顧客の信頼低下が懸念されている。

2月には当局系航空大手、中華航空(チャイナエアライン)でもパイロットらによるストが発生し、2万6千人に影響が出たとされる。会社から勤務条件の緩和を引き出し、エバー航空でもストが起きる伏線となった。

台湾は大企業でも本格的な労働組合が組織されていないケースが多かった。だが労働者の権利意識が高まり、企業側は従業員側との意思疎通の見直しを迫られている。

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