東南ア成長率、4四半期連続下振れ 貿易戦争で輸出減 本社調査

2019/7/8 18:00
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激化する米中貿易戦争が長期化するとの懸念から東南アジア経済の減速が鮮明になってきた。日本経済新聞社と日本経済研究センターがアジアのエコノミストに経済見通しを聞く「アジア・コンセンサス」で、東南アジア諸国の2019年と20年の実質国内総生産(GDP)の成長率予測を下方修正した。下方修正は4四半期連続となった。

米中貿易戦争の影響で、東南アジアでは輸出が減速しているとみられる(タイのバンコク港)=ロイター

東南アジア各国では輸出が圧迫されるなど、経済に悪影響が出ているとの指摘が相次いだ。東南アジア諸国連合(ASEAN)主要5カ国の19年の成長率予測は4.3%で、4月の前回調査から0.3ポイント下方修正した。20年は4.5%(前回調査から0.1ポイント下方修正)だった。

19年の国別成長率はシンガポールが前年比で1.8%、タイが3.3%、マレーシアが4.4%、インドネシアが5.1%、フィリピンが6.2%で、それぞれ伸び率は前回調査を下回った。経済の輸出依存度が高いシンガポールとタイではそれぞれ前回調査より0.6ポイント、0.4ポイントの大幅な下方修正となった。

Amバンク・グループのアンソニー・ダス氏は「(貿易)摩擦によってマレーシアのGDPは0.3~0.5%下押しされる可能性がある。不確実性が高まると企業の投資判断にも影響しかねない」と懸念を示した。

一方、貿易戦争は短期的にはマイナスだが、中長期的には東南アジアへ製造業の生産移管が進むなど、プラス材料になるとの指摘もあった。

調査は四半期ごとに実施している。ASEAN主要5カ国とインドの現地専門家に21年までの成長率や物価、失業率などの見通しを聞いた。6月7~27日に実施し、43件の有効回答を得た。

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