2019年8月20日(火)

消費増税・人手不足焦点に 神奈川経営者、どうみる
2019参院選

2019/7/9 12:01
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参院選が公示され、4月の統一地方選以来の全県選挙が始まった。県内各地で街頭演説や選挙カーによる舌戦が繰り広げられ、各候補者は有権者に政策や主張を訴える。神奈川県内で議論すべき主な政策について県内企業の経営者に聞いた。

有権者も候補者の演説に耳を傾ける(6日、横浜市内)

■景気の停滞、意識

政府は10月に消費税10%引き上げを行う。安倍晋三首相は増税分の一部を教育無償化に充て、「全世代型社会保障」の実現を訴える。一方、野党側は増税凍結や延期を公約の柱に掲げる。経営者からは増税後の企業支援に対する意見が相次いだ。

精密ネジ製造のミズキ(神奈川県綾瀬市)の水木太一社長は「増税後に経済の後退があった場合の対応策についてもっと議論してほしい」と訴える。同社は自動車やデジタルカメラ向けの精密ネジを主力に扱い、海外への輸出も多い。「消費税を上げるのはしょうがないが、同時に円高の波が来るとダブルパンチで需要が落ちてしまう」と増税後の為替相場の行方を懸念した。

ミズキはこの数年間、工場新設や機械の一元管理システムの導入など設備強化を進めてきた。2019年も追加の投資を検討していたものの「増税後の景気動向を見極めてから」と様子見の構えだ。

一方、中古住宅の販売、改修を手掛ける和久環組(横浜市)の鎌田友和社長は「消費増税には前向きだ」と語る。「景気は一度後退するかもしれないが、中古住宅の再利用も進むだろう。空き家対策など循環型社会に向けた政策を期待したい」と話す。

ただ企業経営者の多くは「景気の停滞感」を意識する。日銀横浜支店が示す、県内企業の景況感を示す業況判断指数(DI)も6月まで3期連続で悪化している。企業からは「周辺企業とも売り上げが良くないという話になる」「(20年の)東京五輪後はどうなるかわからない」などの不安が相次いだ。

■中小支援、議論を

慢性的な人手不足の問題も深刻だ。神奈川県の試算によると、県内人口は20年ごろをピークに減少に転じると予想されている。中小企業を中心に人手不足が深刻になる中、高齢者や外国人の働き口の拡大も進む。出入国管理法の改正を受け、企業の受け入れ体制強化も進む。

翻訳事業のエヌ・エイ・アイ(横浜市)の伊藤秀司社長は「中小企業は人手をみんな大企業に持って行かれている」と嘆く。即戦力を必要とするため、創業以来一度も新卒採用には至っていないという。「中小企業の対策をもう少し考えてほしい」と強調する。

同社は日本を訪れる外国人技能実習生向けに業務内容や日本の生活習慣などを教える動画作りも行う。「外国人人材の受け入れに関連する企業へのわかりやすい支援も必要だ」と強調し、補助制度の周知徹底も求める。

横浜商工会議所の上野孝会頭は「中小企業をどうバックアップしてくれるか。政権を担うところがどのように消費増税後の成長戦略を考えてくれるかが大事だ」と中小支援の活発な議論を望んだ。

「働き方改革をもう一度議論すべきだ」と指摘するのは不動産会社、サーティーフォー(相模原市)の唐橋和男社長だ。同社は全社員に残業に関する聞き取り調査を行ったところ、若手社員の8割以上が「残業は必要だ」と回答したという。背景として「残業を制限するのではなく、しっかり残業手当を出すべきだ。人手不足対策の前に働き方改革を見直してほしい」と注文した。

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