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全英オープンのウッズ 知るのは手応えか、衰えか

ゴルフジャーナリスト ジム・マッケイブ

7月14日から北アイルランドのロイヤルポートラッシュGCで第148回全英オープンが行われる。ロイヤルポートラッシュでの開催は1951年以来、68年ぶり。

注目はやはり、ポートラッシュで育ったロリー・マキロイ(英国)か。昨季は惜しくも2位タイに終わったが、知り尽くしたコースで、そして多くの顔なじみの前で、2014年以来の全英オープン2勝目を目指す。そのマキロイは今季、米ツアーで2勝。14試合でトップ10が11回と安定しており、まぎれもなく優勝候補の一人として、多くの期待を背に初日のティーグラウンドに立つことになる。

その他の注目候補は、直近のメジャー大会9試合で4勝を挙げているブルックス・ケプカ(米国)。6月の全米オープンでは惜しくも2位に終わり、史上2人目という全米オープン3連覇こそ逃したが、最後までファンを沸かせ、改めて世界ランキング1位の実力を示した。

今季すでに2勝をマークし、2年前の全英オープンでは2位に入り、昨年も9位タイに食い込んだマット・クーチャー(米国)も有力選手の一人。まだ、メジャー大会のタイトルとは無縁だが、過去3年のメジャー11試合ではトップ10が5回。いつ勝ってもおかしくない。

あとは、昨年の全英オープンを制したフランチェスコ・モリナリ(イタリア)、ジャスティン・ローズ、トミー・フリートウッド(ともに英国)、ジョン・ラーム(スペイン)、ダスティン・ジョンソン、パトリック・カントレー(ともに米国)らにもチャンスがあるかもしれない。

ただ、大会を前に、本場のファンの目が誰に向いているかといえば、やはりタイガー・ウッズ(米国)ではないか。全米プロ選手権では予選落ち。全米オープンでは21位タイと失速したが、今年のマスターズで勝った余韻が残る。英国のファンも、過去3度クラレットジャグを手にした英雄の復活を待ち望む。

全英オープンのコースとの相性も決して悪いわけではない。もちろん、ロイヤルポートラッシュでの開催は68年ぶりなので、ウッズがそのコースを知っているかといえば、否だが、全英オープン特有の硬いフェアウエー、速いグリーンはかつて、ウッズが得意としたコースセッティングでもある。

古い話になってしまうが、2000年から07年まで、ウッズは全英オープンで32ラウンドし、そのうち22回でアンダーパーをマークした。そして、全英オープンでの3勝(セントアンドルーズ・オールドコース2回、ロイヤルリバプール1回)は、すべてその間にマークしたものでもあった。

ところがそれ以来、ウッズは全英オープンで精彩を欠く。08年以降は、24ラウンドでアンダーパーを記録したのは6回のみ。

確かに、ロイヤルリザム&セントアンズで開催された12年の全英オープンでは3位タイに入り、カーヌスティで開催された昨年の大会では一時、単独首位に立った。ファンも沸き立ったが、冷静に大会を振り返ると、いずれも優勝争いに「絡んだ」というほどではなかった。

そもそも12年の最終日は、首位に5打差でスタート。6番で3つもスコアを落とすと、早々に全英オープン4度目のタイトルが遠のいた。昨年は11番でダブルボギー、続く12番でボギーをたたき、やはり優勝争いから脱落。6位タイに終わった。つまり、順位ほど上位に迫ったわけではなかったのだ。

自信持って臨むウッズ、敗れれば…

そんなウッズは今年、文字通り優勝争いに絡めるのか。ラフやバンカーに入れても、マスターズが毎年開かれるオーガスタ・ナショナルならリカバリーが可能だが、全英オープンでは一つのミスが勝敗を左右しうる。先ほど触れた12年の最終日6番ホールでは、まさに2打目をバンカーに入れたことで、万事休すとなった。

一時期の不振を脱したことは、誰もが認めるところ。しかし、さすがに00年から07年までのウッズではない。彼だけではなく、他の選手にも共通する要素だが、年齢を重ねてもまだ勝つチャンスがあるのがマスターズ・トーナメントなら、全英オープンはその反対。力の衰えを残酷に思い知らされる。復調の過程にあった昨年は、負けたとはいえ、「課題がはっきりした」とそれなりの手応えをつかんだウッズだが、それなりに自信を持って臨む今大会で敗れたとき、彼は何を知るのか。

高い期待の裏で、ファンもまた、残酷な現実を知ることになるかもしれない。

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