ギリシャ4年ぶり政権交代へ 最大野党が単独過半数

2019/7/8 4:46 (2019/7/8 13:05更新)
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7日、アテネの党本部で勝利宣言するNDのミツォタキス党首=AP

7日、アテネの党本部で勝利宣言するNDのミツォタキス党首=AP

【アテネ=木寺もも子】債務危機後の財政再建に取り組むギリシャ総選挙(一院制、定数300)が7日、投開票され、最大野党で中道右派の新民主主義党(ND)の議席が単独過半数となる158議席を獲得した。党首のミツォタキス氏(51)が新首相に就任する見通しだ。2015年に「反緊縮財政」を掲げて登場し、欧州連合(EU)との対立で世界の金融市場を揺さぶったチプラス首相は退陣し、約4年ぶりに政権交代する。

「ギリシャを改革する使命を与えられた」。ミツォタキス氏は7日、アテネの党本部で勝利宣言した。8日にもパブロプロス大統領から指名を受け、首相に就任する。ギリシャで単独政党の政権が成立するのは金融危機後初めて。一方、チプラス氏は「顔を上げて有権者の評決を受け入れる」として敗北を認めた。

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選挙管理当局によると、開票率99.8%時点でNDは39.9%の票を獲得した。チプラス首相が率いる与党の急進左派連合(SYRIZA)は第2党に後退した。

ギリシャの選挙制度では250議席を比例代表制で争い、第1党には50議席のボーナスのほか、得票率が3%に届かなかった少数政党の議席が与えられる。このためNDの獲得議席は定数の半分の150を超えた。

7日、敗北を認めるチプラス首相(アテネ)

7日、敗北を認めるチプラス首相(アテネ)

チプラス氏はギリシャが金融危機下にあった15年、反緊縮財政を訴えて熱狂的な支持を集め、政権を奪取した。しかし結局、EUなどからの金融支援の継続と引き換えに、年金カットや増税などの緊縮実行を受け入れた。

ギリシャは18年8月、金融支援から脱却し、自主的な再建を進めている。一方で国内総生産(GDP)は危機前の4分の3に縮小し、失業率も依然18%の高水準にある。家電工場の縮小に伴い仕事を失ったという元技師のコンスタンティノス・トゥーリスさん(52)は「チプラス氏には失望しかない」と語る。

NDのミツォタキス氏は親ビジネスを掲げ、法人税の引き下げや規制改革などを公約している。NDが5月の欧州議会選で第1党になり、政権交代の見通しが強まると、ギリシャの長期金利は3%を下回り、ユーロ導入後の最低を記録した。

エコノミストのギオルゴス・ストラトプロス氏は「政権交代自体がポジティブなメッセージとなり、外国直接投資の増加などが見込める」と指摘する。

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