欧州から自制求める声相次ぐ イラン濃縮度上げ

2019/7/8 4:17
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【ブリュッセル=竹内康雄】イラン政府が2015年の核合意を逸脱してウランの濃縮度を引き上げる作業に着手したと発表したことを受け、欧州各国からは慎重な対応を求める声が相次いだ。イランに核合意を守るよう求め、事態の過熱を避ける狙いだ。だが米イラン間の緊張を和らげる具体策は見当たらず、対応には限界がある。

EUはイランに核合意を守るよう求めた(モゲリーニ外交安全保障上級代表)=ロイター

EUはイランに核合意を守るよう求めた(モゲリーニ外交安全保障上級代表)=ロイター

仏独英とEUは7日、ほぼ同じ内容の声明をそれぞれ発表した。いずれもイランの発表に深い懸念を表明した上で核合意を破るような行動を慎むよう求める内容だ。EUのモゲリーニ外交安全保障上級代表の報道官は7日、「イランが合意と整合的でない行動をやめるよう強く求める」と訴えた。

フランスやドイツの外務省も「核合意で定められた数値を超えてウラン濃縮を進めるとしたイランの発表を強く憂慮する」との声明を発表した。イランは核合意で定められたウランの濃縮度を上限の3.67%を超えて引き上げると表明した。

英外務省報道官も声明で「核合意に参加した他国と協調している」として今後の対応を議論していると明らかにした。

イランの核合意は15年に米英独仏などがイランが短期間に核武装するのを防ぐ目的で合意。だが18年5月にトランプ米大統領が一方的に離脱し、イランに経済制裁を課している。イランはこれに反発し、核合意に反する動きに向かいつつある。1日にはウランの貯蔵量が合意の規定量を超えたと発表していた。

欧州各国は事態が過激化するのを防ぎたい考えだが具体策は乏しい。イランは欧州に米国の説得役を期待していたが、トランプ大統領は次々に制裁を発表。イランに核合意を順守する理由はなくなりつつある。

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