被災の経験、風化させない 33人犠牲の愛媛で追悼式
西日本豪雨1年

2019/7/7 17:49
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昨年7月の西日本豪雨で災害関連死も含め33人が犠牲になった愛媛県では7日、宇和島、大洲、西予の3市が追悼式をした。遺族らは被災の経験を風化させず、安全な町づくりを進めることを誓った。県内では約900人が仮設住宅などでの生活を強いられており、恒久的な災害公営住宅の整備が進む。親子3人が死亡した松山市の怒和島では法要が執り行われた。

西日本豪雨から1年となり、愛媛県宇和島市で行われた追悼式(7日午前)=共同

西日本豪雨から1年となり、愛媛県宇和島市で行われた追悼式(7日午前)=共同

宇和島市では13人が死亡。土砂崩れが相次ぎ、特産のミカンが大きな被害を受けた。岡原文彰市長は「尊い命、住居、水、なりわいの礎を失い、希望の全てを奪い取られるようだった。元通りの生活ができるよう支援に力を注ぐ」と述べた。

大洲、西予の両市では2つのダムが安全とされる基準の6倍の水を放流し、大規模な浸水被害を受けた。

西予市の追悼式では義母を失った小玉恵二さん(60)が遺族代表の言葉を述べた。近所の義母の家が水に沈むのを、避難した屋根の上からただ見ているしかなかったと振り返り「この悲しみを一生抱えて生きていくしかない。二度とあのような悲劇を繰り返さない」と語った。

大洲市の二宮隆久市長は「この1年、被災者から悲痛な叫びばかりを聞いてきた。災害の爪痕はいまだに色濃く残る。風化させることなく、安全な町づくりに全力で取り組む」と表明した。

大洲市で5人、西予市で6人が亡くなった。

怒和島では豪雨で井上麻衣子さん(当時36)と小学3年の長女、陽葵さん(同9)、小学1年の次女、結衣さん(同6)が自宅で土砂崩れに巻き込まれ亡くなった。法要には島内外から数十人が参列。自宅跡地では手を合わせる人の姿があった。遺族には姉妹が通っていた怒和小(休校)から転校した児童らが折った千羽鶴が手渡された。「安らかにお眠りください」とのメッセージが込められているという。

怒和小の山口斗志元校長は「1年前はあんなことがあったのに、今日はこんなに晴れているなんて。(姉妹は)お母さんと仲良くしているかな」と思いをはせた。

平成最悪の豪雨災害となった西日本豪雨では、14府県で275人が死亡した。〔共同〕

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