2019年8月23日(金)

コンテンツ産業に外資誘致  インド、19年度予算案は前年度比13%増

2019/7/5 23:21
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【ニューデリー=馬場燃】インド財務省が5日発表した2019年度(19年4月~20年3月)の予算案は、歳出総額が27兆8千億ルピー(約43兆円)と前年度予算から13%増えた。鉄道などインフラに今後5年で100兆ルピーを投じ、景気の底上げを目指す。航空輸送やコンテンツ業界への規制を緩め外資を呼び込む。キャッシュレス経済を促し税の補足率を高めるため個人の高額の現金支出に対する課税を強化する。

インドのモディ首相は2期目に入った=AP

予算案の作成は、この春の総選挙(下院選)での与党大勝を受け5月末に発足した第2次モディ政権で初めてとなる。2月に議会が可決した暫定予算を修正した格好だ。

歳出の伸びを分野別にみると、農業が75%で突出して大きい。民生にも直結する交通が8%、郊外開発は4%だった。隣国パキスタンとの緊張の高まりを映し、防衛は7%となった。与党は総選挙で、大票田である農家に対し、収入を2倍に増やすと公約していた。

シタラマン財務相は5日の予算演説で「今後5年でインド経済の規模を5兆ドル(約540兆円)規模に膨らませる」と述べた。経済規模とは国内総生産(GDP)を指していると思われる。約2兆7千億ドルだった18年度の名目GDPの2倍に近い野心的な目標だ。実現するには年8%を超す高い成長が必要となる。

シタラマン氏は、達成のため地下鉄、高速道路、エネルギーなどのインフラ事業に積極投資する考えを改めて示した。だが、インド政府が4日に公表した19年度の実質成長率見通しは7%だ。外資誘致を進め、製造業やサービス業を底上げするため、新たな措置を打ち出した。

今後は航空輸送のほか、アニメ、ゲーム、コミックといったコンテンツ産業への外資規制を緩和する。こうした業界の外資比率上限は3割弱~5割弱だが、今後は引き上げを検討していく。

モディ氏は第1次政権のころから地場産業の振興策「メーク・イン・インディア」に力を入れてきた。製造業だけでなく、国内市場が拡大する航空輸送やコンテンツ産業もこの政策の対象になっている。インドは映画産業を通じてコンテンツ産業を育成してきた。

保険の販売代理店には外資の100%出資を容認する方向だ。

インドでは製造業、サービス業の両方で外資のノウハウや技術の導入が不可欠だ。国内の資金不足の解消を狙い、インド政府は、海外の年金基金や政府系ファンドと定期的に対話する方針だ。

電子マネーなどデジタル技術の普及に向け、個人による年間約1000万ルピー以上の現金引きだしには2%を新たに課税する。高額所得者が資産として好む金を輸入する際の関税も、10%から12.5%に引き上げて課税を強めていく。

インド政府はGDP比の財政赤字を3%台前半に抑える方針だ。だが、今回の19年度予算案について、金融関係者からは「100兆ルピーのインフラの原資をどう手当てするか不透明だ」といった疑問の声もあがる。

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