米独立記念日、トランプ氏の「政治利用」に批判

2019/7/5 16:47
保存
共有
印刷
その他

4日、ワシントンで、独立記念日の式典に出席したトランプ米大統領夫妻=AP

4日、ワシントンで、独立記念日の式典に出席したトランプ米大統領夫妻=AP

【ワシントン=中村亮】トランプ米大統領は4日の独立記念日を祝う記念行事で戦車や戦闘機、軍楽隊を動員し、国威発揚を狙った。2017年に参加したパリの革命記念日の軍事パレードに感銘を受け、行事の準備に半年を費やした。野党の民主党は党派色のない記念日を2020年の大統領選に向けた支持拡大のため政治利用したと、トランプ氏を批判した。

「米国は最強国になった」。トランプ氏は演説で米軍の功績を繰り返したたえた。上空では爆撃機やステルス戦闘機、オスプレイ、海軍のアクロバット飛行部隊が軍楽隊の演奏とともに次々と儀礼飛行した。会場となったワシントンのリンカーン記念堂には戦車も展示され、周辺は物々しい雰囲気に包まれた。

トランプ氏が軍事色の強い行事にこだわったのはパリの軍事パレード参加がきっかけだ。18年11月の退役軍人の日にあわせて軍事パレードの実施を模索したが費用面などの問題で断念した。今回も軍事パレードを希望したが、戦車が公道を傷つける可能性があるなどの理由で思いとどまった。

米国の歴代大統領は独立記念日に、なるべく党派色を出さないよう控えめに振る舞うのが慣例だったが、トランプ氏は派手に演説した。これを野党、民主党の有力者は批判した。バイデン前副大統領は4日、ツイッターで「行事は米国の理念の祝福よりトランプ氏の自己満足が目的だった」と非難し、政治利用に懸念を示した。ハリス上院議員も「トランプ氏はこの日を米国の生誕日ではなく自身の誕生日だと勘違いした」と批判した。

ワシントンでは、トランプ氏が独立記念日を政治利用しているとみなして抗議する集会も開かれた。リンカーン記念堂近くでは黄金の便器に座りスマートフォンをいじるトランプ氏の人形が登場した。早朝から夜遅くまでツイッターを通じた情報発信に熱心なトランプ氏をからかうためだ。

トランプ氏の振るまいが、怒った赤ちゃんのようだと皮肉る巨大風船「トランプ・ベビー」も見られた。この風船はロンドンでもトランプ氏の訪問時に披露され、話題になった。抗議集会に参加したシンディー・サンフォードさん(47)は「大切な独立記念日を支持率向上に利用するのは許せない」と憤っていた。

米紙ワシントン・ポストによると、トランプ氏は4日の祝賀行事の費用として国立公園局の入園料収入から250万ドル(2億7000万円)をあてた。トランプ氏は予算の無駄遣いを厳しく精査してきたが祝賀行事については「価値に比べ費用は安い」と説明し、強い思い入れをにじませた。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]