2019年9月22日(日)

地域枠義務放棄の研修医採用した5病院、補助金減額へ

BP速報
2019/7/5 16:05
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日経メディカル Online

厚生労働省の医道審議会医師分科会医師臨床研修部会は、地域枠で医学部に入学した研修希望者を入学時の従事要件外で受け入れた病院と、当該地域枠を設置した自治体に対するヒアリングを3日に実施した。今後、厚労省は地域枠の従事要件外で研修医を受け入れた病院の医師臨床研修費補助金を減額する方向で調整する。補助金の削減が行われれば、初めてのことになる。

■18年度に9人が地域枠義務放棄

現在、各都道府県では修学資金を貸与する代わりに卒業後に一定期間、特定の地域や診療科で従事することを求め、返済を免除する仕組みを取っている。だが、2018年度の臨床研修マッチングでは、この仕組みを使った地域枠の学生879人のうち、9人が地域枠から離脱。うち5人が、県や大学が離脱を妥当としていないにもかかわらず他都県の大学病院を含む臨床研修病院に採用された。

医師臨床研修部会ではこれまで、このような地域枠からの離脱者への対応を議論。17年7月および18年8月には臨床研修病院に対し、研修希望者の地域医療への従事要件の有無を確認するよう医政局医事課長通知が出された。また、19年4月の医事課長通知でも、地域医療への従事要件が課されている研修希望者を採用した場合などについて、医師臨床研修に関する補助金の全部、あるいは一部を交付しない旨が明らかにされていた。

同日開催された医師臨床研修部会では、18年度に自治体が納得しない状況で地域枠を離脱した5人の研修希望者を採用した医療機関と、その地域枠を設定した自治体の担当者がヒアリングに参加した。

■東京医大病院など5病院にペナルティー

医療機関として、東京医科大学病院(東京・新宿)、新松戸総合病院(千葉県松戸市)、製鉄記念広畑病院(兵庫県姫路市)、相模原協同病院(相模原市)、沖縄県立南部医療センター(沖縄県南風原町)が、地域枠を離脱した研修医を採用した経緯を説明した。

研修医が地域枠を離脱した理由は、家族が体調を崩していることや、地域枠のルールに初期研修での従事が明示されていなかったというもの。部会では、いずれのケースも「採用は妥当ではなかった」と結論付けられたが、特に問題視されたのは茨城県の地域枠として入学した東京医大の卒業生を、東京都の東京医大病院で採用していたケースだった。

5病院に対するペナルティーについては、今後厚労省で検討。毎年秋に支給している医師臨床研修費補助金を減額する方向で調整する。これまでも地域枠を離脱した研修希望者の問題は指摘されてきたが、実際の補助金減額まで議論するのは今回が初めて。医師臨床研修費補助金は多い病院で年間5000万円程度、少額な病院で100万円以下だった。いずれのケースも『採用が妥当ではない』とされたとはいえ、問題の程度に軽重があったため、補助金の減額幅については差をつけられるとみられる。

(日経メディカル 山崎大作)

[日経メディカル Online 2019年7月4日掲載]

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