2019年8月18日(日)

パキスタン、ガス料金2倍 IMF支援の条件

2019/7/4 20:26
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【ニューデリー=馬場燃】パキスタンが7月から国内のガス料金を最大2倍に引き上げた。国際通貨基金(IMF)は3日、対外債務に苦しむパキスタンへの約60億ドル(約6500億円)の支援を正式に決めたが、融資条件として財政再建を迫った。パキスタンの景気がこれ以上悪化すれば、国内のイスラム過激派の勢いが増し、互いに核保有国であるインドとの緊張がさらに高まる恐れもある。

IMFは3日、パキスタンに39カ月間で約60億ドルを融資すると発表した。うち約10億ドルをすぐ提供し、残りは四半期ごとに経済を点検して段階的に貸す。IMFのパキスタン支援は13回目で「厳しい財政と低迷する経済を受け、長期的な視点で問題に取り組む」とコメントを出した。

IMFは支援の条件として、電力部門や公的企業などの収支改善を求めていた。ロイター通信によると、2018年8月発足のカーン政権下でガス料金の引き上げは3回目。国営ガス企業などは約10億ドルの収支改善が期待できるとみているが、生活に密着する燃料費の上昇は景気の冷え込みにつながる恐れがある。

パキスタンの対外債務は19年3月に約1050億ドルに上り、わずか3カ月で70億ドル近く増えた。15年に始めた中国主導のインフラ事業をきっかけに対外債務が急増し、サウジアラビアなどにも支援を求めたが財政再建の道筋はみえない。

IMFの試算では、パキスタンの国内総生産(GDP)に占める政府債務は18年度に7割を突破し、21年度には8割を超える見通し。成長率は19年度に従来の5%から2%台に低迷し、物価上昇率も2桁台に上昇する懸念が出ている。

インドは2月、自爆テロの報復としてパキスタンのイスラム過激派の拠点を空爆した。インドのモディ首相はスリランカなど周辺国との関係強化を進めており、6月末の20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)ではパキスタンを念頭に「世界の脅威としてテロについて議論しなければいけない」と主張した。

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