2019年8月24日(土)

クスリのアオキ、新店投資2割増180億円
来春600人採用計画

2019/7/5 6:50
保存
共有
印刷
その他

クスリのアオキホールディングス(HD)は4日、6カ年の中期経営計画の最終年度となる2020年5月期の連結業績予想を発表した。売上高は前期比20%増の3000億円に伸ばす。新店投資額は2割増で過去最大規模の180億円を計画する。関東や東海、近畿などに88店舗のドラッグストアを出店。市場で再編が進む中、新規出店を加速し存在感を高める。

記者会見するクスリのアオキHDの青木社長(4日、金沢市)

今期末の店舗数は628店に増える見通し。同社は全国18府県で展開しており、関東や東海など大都市圏の郊外を中心に店舗網を広げシェアを伸ばす。今期の設備投資額は187億円を見込む。新本社の建設費が加わった前期に比べると8%ほど減るが、新規出店に伴う投資規模は24%増の180億円となる。

出店拡大に伴い人材の採用や教育にも力を入れる。来春には過去最多の600人の新卒採用を計画する。今春入社は500人の計画に対して383人にとどまった。

記者会見した青木宏憲社長は「働き方改革の流れで小売業界の人気が低下している」とし、今年から長期休暇の全員取得制度を導入したことを明らかにした。

接客や売り場チェックなどの人材教育も徹底し、店舗運営力の向上に引き続き取り組む。ただ売り上げの確保に向けては販促コストや人件費も増えるとみられ、今期の純利益見通しは3%増の110億円と堅めの予想にとどめた。

苦戦気味だった調剤事業も強化する。処方薬を販売する調剤薬局の併設店はアオキの強みの一つで、今期は50店の併設薬局を設ける計画。最近は薬剤師の確保が難しく、アオキの店舗に占める調剤併設率は45%弱にとどまる。青木社長は「併設率50%の目標は維持する」と語った。

年間7兆円に達するドラッグ市場も足元では飽和感が強まっている。地盤の北陸地区ではスギHDコスモス薬品などの大手が相次ぎ進出し競争が激化。薬価の引き下げ傾向や10月の消費増税も逆風になる。アオキは調剤併設店を増やすとともに、食品などの品ぞろえを充実させて店舗の集客力を高める構えだ。

ドラッグ業界では売上高7位のココカラファインを巡って、5位のマツモトキヨシHDと6位のスギHDが争奪戦を展開するなど再編の動きが加速している。

アオキは業界首位のツルハHDと資本・業務提携の関係にあるが、新潟や東北といった一部地域で店舗が競合する。ツルハとの今後の関係について青木社長は「薬剤師の教育面など提携の利点がある。今後も関係を維持する」と語った。

19年5月期の連結売上高は2508億円となり、業界10位の水準とみられる。今期は「高速出店」と銘打った中期計画の目標である売上高3000億円を達成し、業界8位圏内に食い込みたい考えだ。寡占化が進む中、来期からスタートする次期の中期計画ではM&A(合併・買収)も選択肢の一つになる。

(小野嘉伸)

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。