定額乗り放題・自動運転、大津便利に 20年導入へ実験

2019/7/5 7:00
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大津市で、バス・鉄道などの定額乗り放題や自動運転を導入する次世代移動サービス「MaaS(モビリティー・アズ・ア・サービス)」が始動する。4日、同市と京阪バス、日本ユニシスが連携協定を締結。11月に実証実験し、2020年にも開始する。観光客と地域住民の利用を想定し、双方の利便性を高める仕組みを目指す。

同事業は国土交通省が「新モビリティサービス推進事業」の先行モデルとして選んだ19事例の一つ。越直美市長は「大津市は多くの観光地があるが交通が複雑で分かりづらい。高齢化も進むなか新たな移動手段で利便性を高めたい」と語った。

対象エリアはJR大津駅から琵琶湖湖畔にかけての中心市街地と、世界遺産である比叡山周辺の2カ所。京阪バスが協力し、日本ユニシスが両地域共通で使えるスマートフォン向けアプリを開発する。

利用者はスマホにアプリをダウンロードし、出発地と行き先を設定すると電車やバス、ケーブルカー、ロープウエーなど交通機関の乗り換え情報を一括で検索できる。住民向けの定額制で乗り放題のデジタルフリーパスや、観光客向けの短期間の乗り放題パスなどを、アプリ上で予約・決済までできる。

アプリは日英2カ国語対応。地場のスーパーチェーンや琵琶湖沿いのホテルなど地域の小売店や宿泊施設、医療機関とも連携し、お得なクーポン、拝観券なども配信し、利用者に周遊や消費を促す。アプリ利用料は無料で、決済方法にはQRコードなどを検討する。

大津駅から琵琶湖畔沿いへ自動運転バスを走らせる(大津市)

大津駅から琵琶湖畔沿いへ自動運転バスを走らせる(大津市)

大津駅前から琵琶湖畔沿いには自動運転バスを走らせる。大型ホテルや商業施設が並ぶエリアだが、路線バスは不採算で廃線となり、地域住民も地元ホテルの無料送迎バスに頼っているのが現状だ。限定されたエリアで完全に自動運転する「レベル4」を見据え、緊急時には運転手が操作する「レベル3」での運行から始める予定だ。

人口減の地方都市では公共交通の維持が課題だ。日本ユニシスと京阪バスは大津市での成果を見て、近隣他都市などを含めた広域での連携や、他地域へのシステムの販売も狙う。(山本紗世)

▼MaaS(マース) 移動手段のサービス化を表す「モビリティー・アズ・ア・サービス」の頭文字をとった造語。公共交通やタクシー、カーシェアリングなど多様な移動手段をIT(情報技術)でつなぎ、予約や支払いを一本化する。定額制による乗り放題なども実現でき、利便性が高まる。

車の利用方法が「所有」から「利用」に移るなか、人工知能(AI)や自動運転技術を導入した新たな移動手段の開発など、市場の拡大が予想される。PwCコンサルティングの推計では自動車関連に限ったMaaSの市場規模は2030年までに米欧中合計で150兆円に達する見込み。

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