ベビメタ、メンバー脱退乗り越え3人体制復活

アートレビュー
2019/7/10 6:00
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サポートダンサー(左)を加えた3人で楽曲を披露した=TAKU FUJII撮影

サポートダンサー(左)を加えた3人で楽曲を披露した=TAKU FUJII撮影

U2やボブ・ディラン、マドンナらが立った伝統の英ウェンブリー・アリーナで、日本人初の単独公演。レッド・ホット・チリ・ペッパーズやメタリカのオープニングアクトに起用。世界をまたにかけ快進撃を続けてきたアイドル、BABYMETALが2018年10月、初めて逆境を迎えた。10年の結成以来のメンバーYUIMETALの脱退だ。不動の3人から2人になり、新体制での船出と位置付けた公演。どんなパフォーマンスを見せるか注目された。

新曲「PA PA YA!!」はタイのラッパーとともに披露した=TAKU FUJII撮影

新曲「PA PA YA!!」はタイのラッパーとともに披露した=TAKU FUJII撮影

冒頭、「選ばれし勇者」と紹介された3人のサポートダンサーが登場。うち1人が2人のメンバーに加わって、3人がステージに上がる。SU-METALがセンターで歌い、MOAMETALとサポート役のダンサーが左右で踊る。三位一体の基盤のかたちが復活したのだ。サポートダンサーには元人気アイドルらが加わっており、公演ごとに1人が日替わりで登場するという。

バックの「神バンド」の演奏と3人の歌と踊りが絶妙に溶け合う=TAKU FUJII撮影

バックの「神バンド」の演奏と3人の歌と踊りが絶妙に溶け合う=TAKU FUJII撮影

新曲となじみの曲を織り交ぜて序盤からたたみかけていくが、熱量が以前の舞台とは明らかに違う。倍増している。リズムと音程を決して外さない透明感のあるSU-METALの歌声には、人々の心を奮い立たせるパワーが加わった。曲の世界観を表すダンスでは、指先の1本1本まで意志があるように繊細に動き、豊かな感情を表現する。

全身全霊のパフォーマンスに観衆は指で影絵のキツネを模した「キツネサイン」で応える=TAKU FUJII撮影

全身全霊のパフォーマンスに観衆は指で影絵のキツネを模した「キツネサイン」で応える=TAKU FUJII撮影

強い心が2人を次のステージに引き上げたのかもしれない。YUIMETALの脱退は、それまで練り上げた形を根底から消しかねない危機だった。逆風と向き合ったことが、前に進む覚悟を生んだのか。大人の戦略による"つくられた存在"であることから完全に脱し、独立した表現者として全身全霊で演じる姿がまぶしく輝いていた。6月29日、横浜アリーナ。

(諸岡良宣)

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