タイ新政権、7月中旬にも発足 軍政の影消さず民政移管へ

2019/7/4 19:02
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【バンコク=岸本まりみ】タイの総選挙(下院選)から3カ月以上がすぎ、新政権の顔ぶれがようやく固まった。すでに任命された元軍人のプラユット首相を含めた総勢36人のうち、同氏をはじめとする半数を下院第2党の親軍政党「国民国家の力党」(力党)系が占めた。残る18人は力党の連立相手の政党に割り振った。7月中旬にも発足する。5年以上続いた軍事政権の影を消さないまま、形の上で民政復帰が実現する。

タイのプラユット首相=三村幸作撮影

タイのプラユット首相

現地メディアによると民主党、タイの誇り党からそれぞれ7人を起用する。下院第1党でタクシン元首相派のタイ貢献党を軸とする反軍勢力は組閣から排除された。

プラユット氏は近く、閣僚名簿をワチラロンコン国王に提出する。国王が閣僚を任命する。任命された閣僚は7月中旬にも宣誓式に臨む。その後、15日以内に、プラユット氏が国会で施政方針演説を実施する。新政権は19党連立というタイでも異例の寄り合い所帯となり、経済政策の立案や実行にも影響しそうだ。

軍政で経済政策の司令塔だったソムキット副首相は再任された。バンコク近郊の臨海工業地帯を高度産業の集積地にする「東部経済回廊(EEC)」計画など主要な経済政策は続ける見通しだ。

東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉を担う商務相は民主党から起用。高速鉄道計画などが担当の運輸相はタイの誇り党から選んだ。

プラユット氏が国防相を兼務し、安全保障担当のプラウィット副首相、警察を所管するアヌポン内相も留任する。軍政の屋台骨を支えた3人の元陸軍司令官がそろって閣内に残り、治安維持に万全を期す構えだ。タイは今年、東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国で、とりまとめ役の外相はドン氏が続投する。

2014年5月のクーデターで軍政となったタイは3月下旬、8年ぶりの総選挙を実施した。力党は中小政党を取り込み、かろうじて下院の過半数を確保した。連立与党内のポスト配分を巡って組閣は難航していた。

新政権の顔ぶれについて、経済界には「親日派でビジネスに強いソムキット副首相の続投は歓迎だ」(日系経済団体)との声がある。一方「不安定な政権は開発がつまずく原因になる」(タイ財閥大手幹部)という懸念も聞かれる。

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