2019年7月18日(木)

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暑熱対策検証、総仕上げの夏 東京五輪本番へ抜かりなく

2019/7/4 18:29
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東京五輪開幕まで残り1年余り。梅雨が明けると、いよいよ暑熱対策の効果を検証できる最後の夏がやってくる。テスト大会を控える競技団体も多く、本番へ最善の準備を進めている。

東京五輪で競歩は早朝にスタートするが、様々な暑熱対策を検討している(写真は昨年のアジア大会)=共同

東京五輪で競歩は早朝にスタートするが、様々な暑熱対策を検討している(写真は昨年のアジア大会)=共同

「暑さを遮るものがないと肉体的にも精神的にもダメージが大きい。途中棄権が多くなる可能性もある」。メダルが期待される陸上競歩の今村文男・日本陸連五輪強化コーチは厳しいレースを予想する。男子50キロが5時半、男女20キロが6時の早朝スタートだが、それでも直射日光は選手の体力を削っていく。特に競技時間が長い50キロは対策の有無が勝負を分けると考えられ、「日常の延長に試合があるように、日ごろからの取り組みや意識付けが大切になる」。

これまで大会や合宿を通して発汗量や給水量、心拍数などを測定。汗の成分も分析して個別にアドバイスをしてきた。脱水や熱疲労は個人差が大きく、給水はデータを基に中身や摂取量まで落とし込んでいる。今年は「本番でやることを決定する年」との位置づけだ。

掛水で体をぬらし、冷やすことに抵抗を感じる選手もいるが、氷を帽子の中に入れたり、手に握って体温を下げる対策は昨夏のジャカルタ・アジア大会でも実践された。「個々でカスタマイズできれば」と今村コーチ。今後は2週間程度が必要とされる暑熱順化も含めて本番までの過ごし方を検討する。

同じ環境下にさらされるマラソンもあらゆる想定をして臨む。ここ数年は夏に東京都内で測定合宿を実施。今年は9月の五輪代表選考レース「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」で内定した選手を対象に北海道で合宿を行い、暑熱対策などについて情報を共有する方針だ。

テスト大会に向けて知恵を絞る競技団体もある。8月に新設の会場で実施されるホッケーは競技の特性上、人工芝からの照り返しも厄介だ。ボールのスピードを速めるためにピッチに水をまけば、蒸し暑さが増すことも予想される。

給水の温度を10~15度に保ち、糖分濃度を調整するほか、シャーベット状の飲料であるアイススラリーを活用。アジア大会に続き、アイスバスやアイスベストも試す予定だ。日本協会の安西浩哉強化本部長は「選手の発汗量を測定するが、太陽の位置や日陰の有無なども確認したい」と語る。

ビーチバレーも今月下旬に潮風公園(品川区)でテスト大会が行われる。日本バレーボール協会は6月に専修大のスポーツ研究所と連携協定を締結。具体的な対策について助言を求める。大学側は高温多湿や低酸素環境をつくり出せる環境制御室を提供し、暑熱環境下でのプレーに耐えられるトレーニングのサポートもしたいという。

地の利を生かすためにも酷暑への対応は不可欠。備えあれば憂いなし。本番に向けて大事なひと夏となる。(渡辺岳史)

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