2019年8月18日(日)

NY株 再び最高値 景気不安と並走 危うく
金利急低下で投資マネー流入

2019/7/4 17:25
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【ニューヨーク=宮本岳則】3日の米株市場でダウ工業株30種平均が約9カ月ぶりに史上最高値をつけた。世界的な金融緩和期待で金利が急低下し、株式などリスク資産に資金が向かいやすくなっている。ただ世界経済の成長は鈍り、米市場では景気後退の前兆ともいわれる長短金利の逆転が起きるなか、投資家は安定志向も強めている。景気不安と株高の並走には危うさが漂う。

3日はダウ平均のほか、機関投資家が重視するS&P500種株価指数、ハイテク株中心のナスダック総合株価指数も最高値を更新した。

このところの株高を支えるのは世界的な金融緩和期待による金利の急低下で、3日は欧州がその起点となった。欧州中央銀行(ECB)の次期総裁に国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事が指名され、緩和路線の踏襲への期待が高まった。欧州の長期金利の指標であるドイツ10年国債利回りは大幅なマイナス圏で過去最低を更新した。

これに先だって米連邦準備理事会(FRB)は6月に景気の腰折れを防ぐ「予防的な利下げ」に前向きな姿勢を示し、米10年国債利回りは節目の2%を割り込んでいた。3日には一時1.94%とほぼ2年8カ月ぶりの低水準に沈んだ。6カ月物の金利はなお2%台を保っており、長短金利は逆転している。両者の逆転は5月下旬から1カ月半ほど定着しつつある。

金利低下は2つのルートで株高を後押しする。一つはリスクマネーの膨張。ヘッジファンドなどは借り入れで運用規模を大きくし、リスクを積極的にとれるようになる。もう一つは債券と比べた株式の魅力の高まりだ。年金基金などは運用目標達成のため株式投資を増やしつつある。

一方で、世界の中銀が緩和に傾斜するのは景気の先行き不安が背景にある。米株高をけん引する銘柄にも投資家の景気への警戒感がにじむ。

前回に高値をつけた18年10月と比較してダウ平均の構成銘柄の騰落率をみると、値上がりトップは日用品大手のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)で、外食のマクドナルドや娯楽大手のウォルト・ディズニーなども上位に並ぶ。いずれも国内外の景気に影響されにくい安定成長株だ。

従来の米株高ではリスクマネーは大型ハイテク株などに向かうのが常だった。だが、この9カ月でみると米アマゾン・ドット・コムはほぼ横ばいで、米アルファベットは7%安、アップルは10%超の下落と株高から置いていかれている。

世界企業の景況感を示すグローバル統合購買担当者景気指数(PMI)は弱含みで、5月と6月は51.2と16年6月以来、2年ぶりの低さで推移しており、製造業のPMIは好況・不況の分かれ目である50を2カ月連続で下回っている。

米企業の業績も減速気味で株高の足腰は弱い。米資産運用会社ノーザン・トラストのジム・マクドナルド氏は「向こう1年、米株が堅調さを保つには1桁台半ばの利益の伸びが必要」とみるが、米ファクトセットによると、19年の主要500社の予想純利益伸び率は4%を切っている。

米金利低下の「震源」の一つは公然とFRBへ圧力をかけているトランプ米大統領だ。トランプ氏の発言や矢面に立つパウエルFRB議長の対応に市場が一喜一憂する日々が続きそうだ。

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