連合、神津氏が会長続投へ 野党分裂で融和優先

2019/7/4 2:00
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連合の主な産業別労働組合の幹部らでつくる役員推薦委員会は3日、10月に任期切れを迎える神津里季生会長の続投を内定したと発表した。2015年に発足した神津体制は3期目に入る。会長代行の逢見直人氏、事務局長の相原康伸氏も留任する。旧民進党の分裂で組織内が股裂き状況にあるのを踏まえ、人事を動かさず融和を優先した。

10月の定期大会で正式決定する。役薦委の平川純二委員長(JEC連合会長)は3日に記者会見し「11月に連合結成30年の節目を迎える。継続して安定した体制でないと、力強いスタートは切れない」と説明した。

連合は1989年に官民労組が大同団結して発足した。会長を3期務めるのは初代会長の山岸章氏、前任の古賀伸明氏に続いて3人目だ。過去には3代続けて2期4年で交代した時代もある。

いまの神津体制への不満が皆無というわけではない。17年には政府への「脱時間給」の修正要求を巡る混乱があった。その年の衆院選では支持政党の民進党が小池百合子氏が率いる希望の党に合流する流れを一時肯定した。

今回の参院選では支持政党が立憲民主党と国民民主党にわかれた。連合の構成組織も股裂き状態に陥っている。比例代表の組織内候補は自治労や日教組などが立民、UAゼンセンや自動車総連などは国民民主から立候補する。

6月下旬の日本経済新聞社の世論調査で、投票したい政党は立民14%、国民民主1%と差が開いた。参院選の結果によっては立民を支持する産別労組から不満が出て、国民民主を支持する産別労組から新会長を出せなくなる事態もありえた。

平川氏は参院選の結果を「役員体制と連動させてはならない」と強調した。役薦委が役員体制を内定させるのは通常より1カ月早い。参院選後の発表になれば、選挙の責任論と結びつけた議論になりかねなかった。

続投する神津氏の出身、基幹労連は国民民主が擁立したJAM(ものづくり産業労働組合)の組織内候補を支援している。ただ前身の一つである鉄鋼労連は自治労などと同じ旧総評に加盟していた。旧総評系労組の幹部は「旧民進党が分裂した混乱を神津さん自身の責任で修復してもらうという考え方もできる」と続投に理解を示す。

「結局、引き受け手がいなかった」という連合幹部の解説もある。次期会長候補の筆頭である相原氏はトヨタ自動車出身で、連合事務局長になるまで自動車総連会長だった。トヨタから連合会長を出した例はない。18年から日本自動車工業会(自工会)会長をトヨタの豊田章男社長が務めている。今後の経済団体の人事とのバランスも考慮されたもようだ。

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