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米、ベトナム鉄鋼製品に関税400%超 迂回輸出警戒

韓国・台湾製

米商務省は2日、韓国や台湾で生産した鋼材をベトナムで最終加工し、同国から米国に輸出した一部の鉄鋼製品に対し、最大456%の関税を課すと発表した。今回は貿易戦争で高関税を掛け合う中国の製品を標的としたものではないが、原産国をごまかす「迂回輸出」に米政府が神経質になっている様子が浮かび上がる。

ハノイの建設現場で鉄骨の締結作業をする労働者=ロイター

対象の製品は耐食鋼材と冷間圧延鋼板。米国は韓国と台湾からの輸入に対し、それぞれ2015年12月、16年2月に関税をかけた。だがその後、いずれもベトナムからの鉄鋼製品の輸入が急増したことを問題視した。

商務省によると、韓国・台湾に関税をかけて以降、直近の19年4月までのベトナムからの輸入額を、それ以前の同じ期間に比べると、耐食鋼材は9億5000万ドルと4.3倍になった。冷間圧延鋼板も4億9800万ドルと10倍強に膨らんだという。

商務省は、韓国や台湾で生産した鉄鋼製品を、米国に輸出する前にいったんベトナムに送って簡単な加工を施してみせるその行為は、高い関税から逃れるための迂回輸出に当たると判断した。今回の調査は、米鉄鋼大手のニューコアやUSスチール、スチール・ダイナミクス、アルセロール・ミタルの米国部門などの要請を受けて実施した。

商務省は18年5月には、中国製の原料を用いたベトナムの一部鋼材に、反ダンピング(不当廉売)関税などを適用すると発表した。中国がベトナム経由で鋼材を米国に大量に輸出する迂回輸出と認定したもので、今回の決定はそれに続くものとなる。

ベトナム側は18年当時、中国から鋼材を輸入して米国に輸出しているのは確かだが、重要な加工部分はベトナムが担っており、迂回輸出に当たらないとして米側に反発したが、米国はこれを認めなかった経緯がある。

米国は鉄鋼製品に限らず、ベトナムの対米輸出拡大に神経をとがらせている。米国がかける関税を避けるため、原産地を隠す迂回輸出の拠点になっている可能性があるからだ。特に米中貿易戦争の激化を受け、東南アジアのなかで生産コストが比較的低いベトナムに中国から生産拠点を移す動きが目立っている。

ベトナムの1~6月期の対米輸出の伸びは前年同期比3割増に迫り輸出全体の拡大をけん引している。ベトナム経済には追い風だが、米国にとってはベトナムとの貿易赤字の拡大につながりかねない。トランプ米大統領は6月、迂回輸出を取り締まらなければ、ベトナムにも制裁関税をかける可能性を示唆していた。

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