東京モーターショー=「日本」ショーに 海外勢ほぼゼロ

モーターショー
2019/7/3 17:38
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今年10月に開かれる自動車の展示会、「東京モーターショー」に海外メーカーが相次ぎ参加を見送ることを決めている。独アウディ、BMW、フォルクスワーゲン(VW)などが出展しない見通しだ。米ゼネラル・モーターズ(GM)など米国勢はリーマン・ショック後から去っており、輸入車がほぼゼロになるもようだ。自社イベントやSNS(交流サイト)などを使った情報発信に重点を置いている。

独アウディの日本法人、アウディジャパン(東京・品川)は3日、第46回東京モーターショーへの出展見送りを表明した。アウディジャパンのフィリップ・ノアック社長は、「顧客への最も良いアプローチを検討した結果、参加しないことを決めた」と説明した。

アウディは国内販売は堅調だ。ライバル車が一堂に並ぶ大型イベントを避けて、女性向けの試乗会など独自イベントを優先することを理由としている。

独ポルシェ、BMW、フォルクスワーゲン(VW)も不参加の見通しだ。ポルシェジャパンの七五三木敏幸社長は「ミレニアル層が重視しているのは感動体験だ。ポルシェの戦略にマッチした顧客にアピールする機会に経営資源を集中させる」。ポルシェは千葉県木更津市にサーキットなどの運転体験施設を設ける計画を進めている。

日本自動車工業会によると、08年秋のリーマン・ショック直後の09年の東京モーターショーは欧米や米国系も含めた海外メーカーの大半が出展を取りやめたこともあった。その後、米国勢は日本での販売不振もあって、東京モーターショーから撤退している。

日本で輸入車の販売が低迷しているわけではない。その逆で、過去最高に近い水準の売れ行きで推移する。

日本自動車輸入組合(JAIA)によると18年度の輸入車販売台数(日本メーカー車除く)は前年度比1.2%増の30万7682台だった。4年連続のプラスで、過去2番目に高い水準だった。登録車に占める輸入車の比率も9.2%で最高だった。

価格帯別でも、高価格帯の車種が売れている。1000万円以上が5.5%増の2万1471台。4年連続の増加となった。400万円以上1000万円未満は14.2%増の14万7477台で9年連続のプラスだった。

ブランド別でトップである独メルセデス・ベンツは今回も参加する。ただ、2位のVW、3位のBMWが撤退することで、主要な海外メーカーが姿を消すことになる。実質的に日本メーカーだけの「日本」モーターショーとなる見通しだ。

かつては3大モーターショーとして、独フランクフルト、北米国際オートショーと並び世界から自動車メーカーや来場者が集まった。前回の東京モーターショーは来場者が77万1200人と5%減っており、欧州勢がそっぽを向くことで、盛り上がりを欠くことは避けられそうにない。

直近ではトヨタ自動車が1977年から続いていたフランクフルトモーターショーへの参加を見送ることを明らかにした。自動車モーターショーが下火となるのは日本だけに限ったことではない。自動車、IT(情報技術)など業界の垣根がなくなり、米家電見本市「CES」などの展示会が存在感を高めている。

大型ブースを設営すると数億円単位といわれるコストに見合う、費用対効果を見込めないとの声もあがる。完成車メーカーはSNSをはじめオウンドメディアを抱えて、情報を積極発信している。横並びのブランドに参加するよりも、みずからが思い描くブランド戦略を優先している。(為広剛)

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