暑さや防災、工夫様々 新国立、11月完成へ最終段階

2019/7/3 16:14
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2020年東京五輪・パラリンピックで開閉式などが行われるメイン会場、新国立競技場(東京・新宿)が3日、報道陣に公開された。冷風機を数多く設置した暑さ対策に加え、防災面など様々な工夫がみられる。日本スポーツ振興センター(JSC)は建設作業が全体で9割ほど進んだとしており、「杜(もり)のスタジアム」は11月末の完成に向け最終段階に入った。

競技場内部から見上げると、木材と鉄骨を組み合わせた巨大な屋根がせり出している。フィールドは砂が敷かれた状態だが、7月中に芝生を張り、8~9月に陸上トラックに仕上げる見込みだ。外側の歩行者デッキでは植栽の作業が進められていた。

観客席のスタンドは3階層で、完成時に6万席となる。このうち約4万5千席の設置が終わった。座席は自然をイメージした緑や茶などがランダムに配色されている。低層の席からは選手を間近で見ることができ、南北にはフルハイビジョンの大型映像装置も設けた。

外からの風が競技場内へ吹き込むように設計されており、冷風機も計185台を設置する。客席スタンドからフィールドに向かって風が流れ降りていき、競技場内に熱がこもらないという。ミスト冷却設備も8カ所に取り付ける。

新国立競技場内に設置された、暑さ対策の冷風機(3日、東京都新宿区)

新国立競技場内に設置された、暑さ対策の冷風機(3日、東京都新宿区)

建築家、隈研吾氏の設計で2016年12月に着工した。整備費は1500億円以上になる。内外装には47都道府県から調達されたスギなど国産木材が多く採用された。外観、屋根ともに木材が目立ち、「木のぬくもりを感じられるデザインになっている」(JSC)。

防災面では、競技場内の2、3階にあるコンコースに面積を割いており、待避スペースとして活用できる。観客席は通路を多めにし、いずれの席からも15分以内に競技場外に出られるようにしたという。防災備蓄倉庫もあり、約8万人分の水や保存食品などを置ける。緊急時でも非常用電源が作動し、携帯電話の充電などのためにコンセントも設置する。

JSCによると、新国立競技場は全体の9割が完成し、現在は歩行者用デッキなど外構を中心に工事している。完成は11月末の見通しで、12月21日にはオープニングイベントを開催する。

大会後はトラック部分が改修されて、観客席を8万席に増やして球技専用の競技場になる。大会後にJSCは運営権を売却する方針だが、年間24億円の維持管理費がかかるとされ、売却先が見つかるかどうかは不透明だ。

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