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渡辺の泳ぎ「ほぼ完璧」…星奈津美(競泳)

夏の世界選手権の代表選考を兼ねた競泳日本選手権が8日まで行われた。世界レベルの活躍が光った選手がいる一方で、昨年より厳しい派遣標準記録を切れず苦しむトップ選手も目立った。池江璃花子(ルネサンス)らエース不在の影響や、東京五輪のプレッシャーを少なからず感じさせられた大会だった。

その中で、自身の世界記録に0秒35と迫り初優勝した男子200メートル平泳ぎの渡辺一平(トヨタ自動車)のレースは出色だった。大会前から「世界記録を更新する」と宣言していたが、よほど自信がないとあの発言はできない。実際は惜しくも届かなかったが、内容はほぼ完璧。150メートルまで世界新ペースの攻めっぷりに、有言実行しようとする彼の強さを感じた。

星奈津美さん

大舞台で攻めきれず、足踏みしている選手は少なくない。ラスト50メートルこそバテてしまったが、あのレース展開に一度でも挑戦したことで一皮むけたのではないか。もしこれまでのように後半に上げるプランで守りに入っていた場合、最後の50メートルを強化すればいいという明確な課題は見えなかったはず。さらなる自信をつけて夏の大一番へと臨んでくれるだろう。

女子では最終日に400メートル個人メドレーを制し、200メートルとの2冠を達成した大橋悠依(イトマン東進)の成長が見てとれた。大会2日目の200メートル決勝で記録が伸び悩み、苦しんでいた。練習に自信がある時ほど、結果が出ないと精神的なダメージが大きい。気持ちのコントロールを彼女自身も課題に挙げていたが、その中で結果を出しきった。選手としてかなり高い水準へきたと感じている。

彼女にとって、練習と試合の内容にズレが生じる経験はおそらく初めて。ただ、2年連続で日本記録を更新してきた日本選手権で今年も記録を出したら、来年さらなる重圧に苦しんだ可能性もある。今や競泳ニッポンの顔だが、まだ代表3年目。東京五輪の前年に経験して良かったと前向きに捉えてほしい。

今までの五輪プレシーズンに比べれば代表の顔ぶれは少しさびしい。それでも今回、レベルの高い派遣標準記録を突破した17人は夏の世界選手権や東京五輪で確実に戦力となる。胸を張って泳ぎ続けてもらいたい。

 ほし・なつみ 1990年埼玉県越谷市生まれ。五輪は2008年北京大会から3大会連続で出場し、12年ロンドン、16年リオデジャネイロで200メートルバタフライ連続銅メダル。現在は解説者などとして活動中。

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