香港ゲーム会社、VRベンチャーを買収

36Kr
アジアBiz
コラム(テクノロジー)
2019/7/4 2:00
保存
共有
印刷
その他

香港上場企業の「雲遊控股(Forgame Holdings)」がこのほど、VR技術開発を手がける「西瓜互娯(Xigua Huyu)」の買収を完了したことが分かった。買収額は1億5000万元(約23億4000万円)で、雲遊控股は西瓜互娯の株式を69.84%保有する支配株主となった。

VRゲームを体験できる施設「頭号玩珈」(雲遊控股提供)

VRゲームを体験できる施設「頭号玩珈」(雲遊控股提供)

西瓜互娯は2015年に設立。大規模VR技術の研究・開発を手がける。傘下のVR体験施設「頭号玩咖」は営業中、出店準備中合わせて中国に100カ所近くある。施設面積は通常150~200平方メートルで、北京・上海・杭州・重慶などの一級都市(特大都市)から五級都市(地方小規模都市)までまんべんなく出店している。大半が直営施設であり、ショッピングモール内の店舗が多く、路面店やゲームセンター内の店舗は少数だ。2019年末までに、施設数を350店以上に増やす計画だという。

雲遊控股は2009年に設立され、主に手軽なゲームの開発を手がける中国企業だ。2013年に香港証券取引所に上場しており、西瓜互娯の買収を発表したことで、同社の株価は小幅ながら上昇した。ブラウザゲームの利益率が圧迫されている中、VR企業の買収は既存のゲーム事業のグレードアップと補完につながると受け止められた。

雲遊控股が主催するVR業界のコンファレンス(同)

雲遊控股が主催するVR業界のコンファレンス(同)

雲遊控股の汪東風董事長によると、今回の買収は主にVR市場に対する判断に基づくものだという。西瓜互娯を買収した理由について、汪氏は「10年を1つの時代の区切りだとすると、どの時代にも1つは大きなチャンスがある。コンテンツ産業にとって、次に来る大きなチャンスがVRだと考えている」と説明した。中国はVR技術、VR関連ハードウェア分野の蓄積が少なく、市場も未成熟だと指摘。このため、ハードウェアの開発力、販路と実行力、コンテンツ開発力、製品化できるビジネスモデルの実例を備える企業には価値があるとの見方を示した。それが西瓜互娯を評価し、頭号玩咖の運営に関わることにした大きな理由でもあるという。

雲遊控股の汪東風董事長(同)

雲遊控股の汪東風董事長(同)

西瓜互娯が独自開発したIMPS(Infinite Multi-Target Positioning System)は、巨大空間において複数のターゲットの位置を特定できる技術だ。配線を必要とせず、背中に背負うバックパック型PCとホスト間のデータのやりとりにWi-Fiを使うことで、6DoF(6自由度)と10人同時の正確な位置特定を実現し、400平方メートルの空間での複数人、複数チームによる対戦をサポートする。コストは外国製品の5~10分の1となっており、この巨大空間用複数人同時位置特定技術を用いた製品が、頭号玩咖の急速な店舗数拡大を支えている。

現在のところ、頭号玩咖が独自開発したVRゲームは男性向けが中心だ。近く新たなゲームを10タイトルリリースするほか、オンラインゲーム作品との提携、手軽な体験型ゲームや女性向けゲームを開発することでバラエティーを増やし、VR体験のハードルを引き下げ、店舗の経営効率と売り上げの向上につなげるとしている。

さらに、頭号玩咖の利用者の年齢層は20~35歳となっていることから、今後はこの年齢層を対象として、VR機器の販売やコンテンツ購入などのサービスを店頭で展開し、入場料以外の収益源を生み出す方針だ。

汪氏によると、将来的には規模の大きなVR体験施設の「頭号玩咖」を次世代の娯楽・コンテンツ産業の販路でもある「新型映画館チェーン」にすることも計画しているという。

「36Kr ジャパン」のサイトはこちら(https://36kr.jp/)

中国語原文はこちら(https://36kr.com/p/5212373)

 日本経済新聞社は、中国をはじめアジアの新興企業の情報に強みをもつスタートアップ情報サイト「36Kr」(北京市)と業務提携しています。同社の発行するスタートアップやテクノロジーに関する日本語の記事を、日経電子版に週1回掲載します。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]