2019年8月23日(金)

豪準備銀利下げ1%、2会合連続 景気腰折れ防ぐ

2019/7/2 21:23
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【シドニー=松本史】オーストラリア準備銀行(中央銀行)は2日、政策金利を0.25%引き下げ、史上最低の1%とすると発表した。利下げは2会合連続で、3日に実施する。年率2~3%のインフレ率目標の達成を目指すとともに、景気の腰折れを防ぐ狙いだ。賃金や物価の上昇が力強さを欠いており、住宅価格の下落などで個人消費にも不透明感が漂っている。市場では年末にかけ、追加の利下げがあるとの見方が出始めている。

豪準備銀は労働市場を注視する(シドニー)=AAP

準備銀のロウ総裁は2日の声明で2会合連続の利下げの目的を「雇用の伸びを支え、中長期的なインフレ目標を達成できるとの信頼感を得るため」と説明した。「引き続き労働市場を注視し、必要なら金融政策を調整する」と述べ、追加利下げの可能性を否定しなかった。豪経済のリスクは「家計消費の見通しの弱さにある」とも指摘した。

この声明は「想定内の内容」(金融関係者)と市場で受け止められ、豪ドルの対米ドル相場は小幅な動きにとどまった。

ロウ氏は賃金について「全体としては低いままだ」と指摘した。豪州では雇用拡大と人口増が同時に進み、労働市場の需給は緩い。失業率(季節調整済み)は最近、2月の4.9%を底に5月には5.2%に上昇した。

労働需給が緩く賃金が伸びないため、物価上昇も抑えられている。1~3月期の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同期比1.3%、コアインフレ率も同1.6%にとどまった。中銀はコアインフレ率などを参考に独自の物価上昇率を算出しているが、その値は目標の年率2~3%を大きく下回っているもようだ。

豪州は一般的な景気後退の定義とされる「2四半期連続のマイナス成長」を経験していない期間が1~3月期で111四半期連続となり、世界最長を続けている。ところが、1~3月期の実質成長率は家計消費が不振で前年同期比1.8%にとどまり、18年10~12月期の2.3%から圧縮された。調査会社リフィニティブの調べでは金融危機直後の2009年以来の低さとなった。

成長の重しとなっているのが住宅価格の下落による逆資産効果だ。住宅の資産価値の低下を懸念する消費者が、支出に慎重な姿勢に転じている。

豪州自動車工業会(FCAI)によると、5月の新車販売台数は前年同月より8.1%減った。

1~3月期の住宅価格指数はシドニー、メルボルンなど主要8都市の平均で前年同期比7.4%減だった。低金利や投資マネーの流入で17年まで上昇した。だが、中国当局の資本流出規制で同国からの投資が細った。豪政府は金融機関に住宅ローン審査を厳格にするよう求め、市場が冷えた。

調査会社キャピタル・エコノミクスのマーセル・ティエリアント氏は当面の追加利下げのタイミングとして「11月と20年2月」をあげた。

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