家庭の太陽光高値買い取り パナソニック、NTT系と参入

2019/7/2 21:22
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家庭の太陽光発電でつくった電気の買い取りに乗り出す動きが相次いでいる。パナソニックは2日、NTT系と組んで11月に参入すると発表した。買い取り単価は1キロワット時当たり最大16円と、大手企業が公表した中では最高水準に設定した。蓄電池の購入などが条件だ。電力会社が固定価格で買い取る制度が11月から順次、期限を迎えるのをにらんだ争奪戦が始まった。

パナソニックの中嶋慎一郎SBU長は2日の記者会見で「業界最高単価を実現した」と話した。16円での買い取りは1年限定。パナソニックの蓄電池と省エネ型電気給湯器「エコキュート」を購入し、NTT西日本子会社のNTTスマイルエナジーの蓄電池遠隔監視サービスを利用するのが条件だ。

蓄電池やエコキュートは初期投資が100万円程度かかるため普及が遅れていた。これらを設置すると、家庭内で効率よく電気を使えるようになるため、結果的に余剰電力が減り、買い取り費用の総額を抑えられる利点もある。

家庭の太陽光発電を電力大手がすべて引きとる固定価格買い取り制度(FIT)は2009年11月に始まった。当初の単価は48円。買い取り期間は10年だ。今年11月以降、19年だけで53万戸が期限を迎える。その後は新たな売電先を決めるか、蓄電池を導入して自家消費する必要がある。

住宅メーカーは住宅の販売増を狙い、FIT切れの買い取りに参入する。旭化成ホームズは同社が建てた太陽光パネル付き住宅で、余剰電力を1キロワット時当たり10円で買い取る。旭化成ホームズを通じて蓄電池を設置した場合にはさらに2円上乗せする。積水化学工業も蓄電池導入の家庭からは12円で買い取る。

電力大手はFIT切れ後の買い取り価格を平均で7~9円程度に設定している。日本卸電力取引所(JEPX)で日中は6~11円で取引されることが多いことを考えると「大手電力の価格設定が妥当で、異業種は高い」(業界関係者)という。

家庭にとっては、太陽光の電気を売るだけでなく、蓄電池を活用して夜間も使うといった自家消費型へと変わるきっかけとなる。電力大手の設備とは独立して発電できるため災害時に使える電源としても存在感が高まっている。

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