2019年8月23日(金)

米、イラン追加制裁辞さず ウラン濃縮に警告

トランプ政権
2019/7/2 23:00
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トランプ米大統領はイランに対する軍事攻撃を一時計画した(6月25日、ワシントン)=ロイター

トランプ米大統領はイランに対する軍事攻撃を一時計画した(6月25日、ワシントン)=ロイター

【ワシントン=中村亮】イランの低濃縮ウラン貯蔵量が2015年の核合意の上限を超えたのを受けて、トランプ米政権が経済・軍事両面で圧力を強めている。追加経済制裁に加え、核関連施設をサイバー攻撃する可能性も取り沙汰される。イランはウラン濃縮度の引き上げも示唆しており、欧州など他の合意当事国を含めた駆け引きが激しさを増しそうだ。

ポンペオ米国務長官は1日の声明で「イランが核開発を進めれば経済的圧力を強化する」と警告した。米政権はイラン産原油の全面禁輸など外貨資金源を遮断してイランから核開発能力を奪う戦略を進めてきたが、さらに踏み込む構えだ。

トランプ大統領は18年5月、オバマ前政権が結んだ核合意ではイランの核開発を阻止できないとして離脱を表明し、新たな枠組みを目指すと説明してきた。核開発を許せば20年大統領選で批判を浴びる公算が大きく、譲れない一線だ。

米メディアによると、国防総省や米中央情報局(CIA)はイランが核開発を進めた場合の対抗措置の協議を始めた。経済制裁に加え、イランのウラン濃縮施設をサイバー攻撃し、同国の核開発能力にダメージを与える案も浮上している。米軍は6月末、ミサイル防衛システムに探知されにくいステルス戦闘機F22をカタールの空軍基地に配備したと明らかにした。

米軍はステルス戦闘機F22をカタールの空軍基地に配備した=ロイター

米軍はステルス戦闘機F22をカタールの空軍基地に配備した=ロイター

英独仏は核合意の維持を目指し、イランに自制を働きかけている。だが経済的に苦境に追い込まれたイランは「核合意の義務を果たす負担だけが大きくなった」と主張。7日までに米以外の合意当事国が原油輸出などで米制裁を回避する方策を示さなければ、核合意で定める上限(3.67%)を超える濃縮度のウランを製造する可能性を示唆して揺さぶりを強める。

元米情報機関幹部はイランが国際原子力機関(IAEA)の核関連施設への査察を拒否したり、高濃度ウランの製造を始めたりすれば、米国の軍事攻撃の可能性が高まると指摘する。トランプ氏は6月下旬に攻撃を見送ったが、イランが核開発を進めれば政権内の主戦論が再燃しかねないとの見方だ。

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