税収、最高の60兆円超 バブル期から消費税は4倍弱に

2019/7/2 20:00
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財務省は2日、2018年度の国の税収総額が60兆3563億円と過去最高になったと発表した。給与や消費の伸びを背景に17年度比で約1.5兆円増えた。これまでの最高だったバブル期と比べると、消費税が増えて法人税の比率が下がるなど税収構造は大きく変わった。今後も伸びを維持するにはグローバル化やデジタル化の進展に応じた改革が欠かせない。

18年度の税収は全体の8割を占める「基幹3税」がいずれも17年度を上回った。所得税は給与の伸びや株式の売却益の増加を受け、19.9兆円と1兆円増えた。消費税は個人消費の伸びで0.2兆円増の17.7兆円、法人税も企業業績が堅調で0.3兆円増の12.3兆円だった。予算の使い残しなど剰余金は1兆3283億円になった。

総額は昨年12月にまとめた第2次補正予算の見積もりを約4千億円上回った。具体的にはソフトバンクグループが子会社から受けた配当金にかかる所得税で約4千億円を計上した。ただ本来は非課税の取引のため19年度に全額が還付される。

18年度の税収総額はバブル期の1990年度(60.1兆円)を超えた。当時と比べ、存在感が高まったのは消費税だ。当時の税率は3%で税収は4.6兆円。その後の税率引き上げで税収は4倍弱に膨らみ、30年前の法人税収と肩を並べた。10月には10%への引き上げも予定されている。

一方、法人税は90年度に18.4兆円あった税収が18年度に12.3兆円と6割強まで減った。国際的に税率引き下げ競争が激しく、日本も国の税率を90年度の37.5%から23.2%まで下げた。

今後、企業業績が拡大しても、かつてのような増収が見込めるかは不透明だ。日本企業は海外で稼ぐ傾向を強めており、海外子会社から吸い上げる配当金の多くには税金がかからないためだ。

データ経済への対応も課題だ。米グーグルや米フェイスブックといったネット企業は物理的な拠点を持たずに事業を展開しているケースが多く、地域ごとに収益を把握し適切に課税するのは難しい。時代遅れとの指摘も出ている課税ルールの見直しは、経済協力開発機構(OECD)を中心に議論が進んでいる。

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